調子笛に関する勘違い

 えらい勘違いをしていた。ウクレレのチューニングに調子笛を使っているというのは以前話したとおりである。実はそこに大間違いがあったりして、その大間違いに気付かずずっとウクレレを弾いていた。いやあ、しくじったしくじった。去る者は日々に疎しとはいうが、それにしても忘れ過ぎだ。

吹奏楽器用の調子笛はAが出るとは限らない

 以前言っていた吹奏楽器用の調子笛はAが出るというのは大間違いで、一般に吹奏楽でチューニングする際はB♭を使うわけで、つまりはそういうわけ。私の調子笛はB♭を発する! 私はウクレレを半音高くチューニングしていた。大失態である。

 なぜその失敗に気付かなかったのかというと、ひとえに私に絶対音感というのがないためである。絶対音感がある人ならば、その調子笛あるいはウクレレの調律が半音高いと一瞬にして分かるのであるが、私は相対音感の人間だから分からなかった。

 かつて音大生だったせいで絶対音感を持っている知人はたくさんいるのである。知人の半分くらいかそれ以上は絶対音感持ちじゃないだろうか? とにかく知人の前でウクレレをぽろんぽろん弾いて、調律はソドミラだと説明すると、ラレファシと聞こえると言われてしまった。こういうときに、相手が間違っていると思わないのが私のよいところである。なにしろ音感に関しては、自分より相手の方が圧倒的に優れている。こうしたケースで間違っているのは自分であるのは火を見るより明らかである。調子笛を吹いてみる、シに聞こえる。低いHに聞こえる。ううん、おかしいなあ。高目のAが出るはずなのに……

 この高目のAが出ていると考えていたのがすべての間違いで、実際には高目のB♭が出ていたのだから、彼女らがそれをHと聞いたのは至極当然なのである(ドイツ音名と英米音名がごっちゃになっててすまん)。

 私が自分の調子笛からB♭が出ていると気付くのは、彼女らの指摘を受けてから二週間後のことであった。だめじゃん、自分……

ウクレレ、最近のチューニング

 調子笛がウクレレに使えないと分かってからは、チューナーで音を取るようにしている。といっても、誰かと合奏するわけでもない状況ではきっちりしたAがとれなくてもかまわないので、実は一度チューニングしたらそのまま弦を緩めずにおいて、次に弾くときに四本の弦の中で一番高いのにあわせてしまうという乱暴なチューニングをやっている。

 普通に考えて弦が緩むことはあっても、勝手にきつくなってるということはないだろうというのが理由であるが、まあちょっとくらい高くなっても低くなっても自分にはなにも分からないのだから、それでいいのである。

 しかしB♭チューニングからAチューニングに戻してしばらくは、さすがに変な感じがして仕方なかった。なんか緊張感がない感じで、でもこれが本来のウクレレの音なんだよな。といいつつ、最近では随分慣れた。こののんびりさ加減がいい感じである。


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公開日:2003.03.23
最終更新日:2003.03.23
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