先達てリリースされたGoogleサイトマップですが、私の興味は、どういう言葉でもって自分のサイトが検索されているかというところでとどまっていて、本来のGoogleサイトマップの機能にはまったくといっていいほど注意を払っていませんでした。
Googleサイトマップとは、その名にもあるとおり、Googleにページの追加を教えるためのサイトマップを提供し、Googleは効率のよい索引作成をおこなえる、サイト側からすれば新ページがスムーズに追加されるというわけで、両者ともにほくほくというものなのでしょうが、私はもう面倒くさいやらなんやらで、サイトマップの提供なんてしようとも思わなかったし、多分これから先もすることはないんじゃないかと思っています。
ところが、そんな私がなぜ再びGoogleサイトマップで書こうと思ったかというと、――Googleの提供するサイトマップ生成ツールが非常に興味深いものだったからです。
Google提供のサイトマップ作成ツールの名前は、sitemap_gen.pyというそうでして、拡張子pyというのはなんだろうと思う人のほうが多いのではないでしょうか。Perl? いや、Perlの拡張子はplです。じゃあ、いったいなんなんだろう。
拡張子pyはなにかというとPythonなのですよ。Pythonとはエリック・レイモンドが『ハッカーになろう』にて推奨した言語で、入門に最適、しかし充分な機能を備えているというもの。実際私は、CGIこそはPerlで書きますが、日常の用にはPythonを使っています。Wikiのページをダウンロードして、EUC-JPからShift JISに変換。各ページに用意されたメタデータを利用して、HTMLを作っていくなんてこともお茶の子さいさいです(うそ、ちょっと苦労した)。
ここ数年、Pythonを使う人というのはだんだんと増えてきて、UNIXやLinuxではインストール時の初期設定をPythonでおこなうようなディストリビューションもあるとかどうとか。Microsoftの.net にも対応したし、もちろんMac OS Xにも標準で搭載されています(ちょっと古いんだけど)。
で、GoogleもPythonを使ってるんだよーだなんて話も聞いていたんですが、正直いったいどこで使っているというんだろうと思っていたら、まさかのsitemap_gen.py。いやあ、こんなに前面にPythonがあらわれようとは思ってもいなかったので驚きました。ですが、ユーザとしては嬉しい。これがPython普及のきっかけとなってくれればどんなにかいいだろうと思います。
Pythonで書かれたGoogleサイトマップ作成ツールには問題もあります。その問題とはまさにPythonで書かれているということに起因していて、いや、Pythonが悪いんじゃない。けれど、Pythonであることが問題なのです。
Googleサイトマップ作成ツールのページには使用に関する注意点が記されていて、その第一点目、ウェブ
サーバーに接続して、スクリプトを実行する権限があること。
というのはまだいいでしょう。ですが次がまずい。ウェブ
サーバーに Python 2.2 以降がインストールされていること。
私、日本のウェブスペースやホスティングサービスで、Python使用可を謳っているところを知りません。もしかしたらあるのかも知れませんが、でも大抵はPerlで、あとPHPとかASPくらいか。UNIX/Linux系のサーバならPythonがインストールされていて使えたりするところもあるのかも知れないけれど、でも多分ないっすよ。
だから、多分日本でsitemap_gen.pyを使っている人というのはほとんどいないんじゃないかと思います。
でも、こうやってGoogleがPython引っさげてきたんですよ。もしかしたら、日本でのPython普及が進むかも知れない。
もし私の使っているホスティングプロバイダがPythonを使えるようにしてくれるというなら、PythonでCGIを書いていってもいいなと思っています。まあ、きっと需要はないともうけれども!