シリーズ iBook G4 ららら

OS X 10.3の使い勝手

 iBook G4が到着したのは11月5日でした。起動して設定を済ませるとソフトウェア・アップデートが立ち上がって、システム関連のアップデートファイルをダウンロードするよう促してきます。Security Update 2003-10-28Security Update 2003-11-04、あとiSynkiTunesのアップデートをインストール。これが数十メガに及ぶ巨大ファイルで、ダイヤルアップの人なんかはどうするんだろう。ともあれOSは、MacintoshにせよWindowsにせよもはやブロードバンド前提で、結構頻繁にリリースされるセキュリティ対応をしっかりすることは今や基本中の基本であり、両OSともに、これらアップデートに関する知識や意識の薄いユーザに対して、しっかりアップデートせよと働き掛けるようになりました。便利。便利です。

 実際のところ、僕はWindows 2000やXPを継続的に利用したことがないので、そのアップデートの様を知らないのですが(自動でアップデートする機能があるのは知ってますよ)、この自動でアップデートしてくれるのは便利だと、自分のうちにiBook G4が来て心から思いました。ただこれをすることで不備が出たりしたらいやだな、とは思うので、そのへんはアップルさん、しっかり頼みますよ。

 といっても、ほとんど機能拡張の類いを入れず、クリーンインストール、デフォルト状態を維持することにしている僕ですから、アップデートで異常が出ることは、Mac OS、Windowsともにほとんどないのですけど。

使用してみての感触

 OS X 10.3、使用してみると便利なところあり、不便に思うところありです。

Dock

 OS XからDockというのが画面下に表示されるようになりまして、これがランチャーと起動中のアプリケーションを表示する、Windowsでいうタスクバーのようなものなのですが、これが便利だったり不便だったりです。

便利なところ

 僕はOS 9以前ではランチャーを愛用していまして、必要なソフトをランチャーから立ち上げ、書類はアプリケーションから立ち上げるということをやっていました。だからほとんどハードディスクを直接開いていくということをしない、ちょっと一般的じゃないのかな、そんなユーザです。

 そんな僕にとっては、ランチャー的に使えるDockは非常に便利で、普段はさすがに邪魔だから非表示にしているものの、マウスを画面下に持っていくとひょこっと現れてくれて、ソフトウェアをほいっと立ち上げることができる。便利、便利です

 以前、職場でOS X 10.1を使っていた時代がありました。その時マシンはG4 733MHzで決して遅くはなかったのに、Dockの表示には非常に不満がありました。マウスを持っていても、すぐに出てくれないんですよ。出たり出なかったりの境目が分かりにくい。だからDockにアクセスするときはCommand+TabでDockを表示させて、消える前にカーソルを持っていくというのを癖にしていました。

 癖というのはすごいですね。その癖は今も残っていまして、けど10.3ではその必要がないんです。それはCommand+TabではDockが出ず、画面中央にアプリケーション切り替えのウィンドウが出るようになったからではあるのですが、それよりもDockの反応がよくなったというところが大きいです。こういう細かな使い勝手がよくなっていくというのは、OSの健全な進化という気がしてとてもうれしく思います。

不便なところ

 さて、不便な点。もちろんありますよ。アプリケーションをたくさん追加していくと、Dockはどんどん小さく細くなっていきます。だからデフォルトでは大きすぎて非常に邪魔なのが、ある程度アイコンが登録されるとちょうどいい大きさになります。けれど、それを上回る数が登録されたらどうなるんだろう。アイコンは小さく小さく、幅は細く細くなるのでしょうか? ある程度の大きさは確保して欲しいなあ、だって押しにくくなるじゃん、と思う僕は、必要最低限にとどめて、それ以上のアイコンを登録していません。

 アプリケーションをたくさん所有している人なんかはどうするんでしょう?

 それともう一点。必要ないときにDockが展開されるというのはちょっと困ります。画面下にクリックする対象がある時、例えばDreamweaverはウィンドウ下に現在キャレットがある要素を一番右にして、要素の階層を順々に表示してくれます。その要素のマークをクリックするときっちり全部選択できるのですよ。これ実は便利でして、例えば定義リスト(DL要素)の説明部分(DD要素)だけ選択したいとき、DL要素を丸ごと選択したいとき、またはアンカーテキスト(A要素)を選択したいとき、取りこぼしや選択間違いなどを起こさないので、ものすごく便利、というかこれを使えないならDreamweaverの使い勝手は激減します。

 ただこれがウィンドウの下部にあるというのがちょっとした問題で、その要素表示部がちょうどDockに重なるようなところに置かれていると、もうお分かりと思いますが、要素選択をしにいった時にDockが開いちゃうんですね。

 Dockはおそらく画面最下部かそこから1ピクセルくらいにマウスカーソルが入るまで出てこないと思うので、ウィンドウを配置する際に気を使っておかなければならない、そういうちょっと不便があります。まあ、理解して慣れればたいしたことではありませんが。

 ちなみにDockは画面下部だけでなく右や左に置くこともできますよ。けどやっぱり僕は下にあったほうが落ち着きます。

ウィンドウの感触

 OS 9までのウィンドウはアプリケーションにしっかりくっついていたので、どれかウィンドウを選ぶとそのウィンドウが所属するアプリケーションが最前面に現れて、他のアプリケーションを覆い隠してしまいました。けどOS Xからはウィンドウはアプリケーションからは独立的になって、例えば最前面はDreamweaverだけど二枚目はiCabを置けたりする、つまりネットで情報を確認しながら更新作業をするなどが、非常に便利になりました。これだと作業中のDreamweaverのウィンドウと該当のiCabのだけを気にすればいいだけで、けれどこうなる以前は、他の邪魔になる文書、ウィンドウを閉じなければならなかったりして、それに比べると操作性は格段に上がりました。

 この特性のために、Exposéの使い道はぐっと上がっています。F9 Exposéでアプリケーションを無視して全ウィンドウを一覧配置し、必要なものをピックアップしていく。アプリケーションを限定したかったらF10ですよ。画面中がウィンドウに敷き詰められたとしても、F11でデスクトップアクセスが可能だし、そもそもFinder のウィンドウに普通にデスクトップの内容を表示できるから、いろいろな展開を選んで、自分なりの便利を模索できるのは非常に便利ですよ。

 さてさて、アプリケーションに関係なくウィンドウが重なり合って困る場合なんかにはどうしたもんでしょうか。それも簡単な話で、Dockから最前面に配置したいアプリケーションアイコンをクリックしてもいいし、Command+Tabで表示されるアプリケーション切り替えから必要なアイコンを選んでやればいい。こうすると、そのアプリケーションに所属するウィンドウが全面に配置されます。

 普段からCommand+Tabで切り替える習慣のある人はこれにExposéを追加するだけですから、簡単な話です。実に便利になりましたよ。

アプリケーション切り替え

便利なところ

 実際、これに関して便利を説明する必要はないと思います。というのもOS 8からあるんでしたか? 僕はOS 7.5から9にとんだ口なので8のことはよく分からないのですが、WindowsにせよMacintoshにせよ、Command+TabあるいはAlt+Tabでアプリケーションやウィンドウを切り替えるのは、多くの人にもう馴染みでしょう。便利です。上司に見られては困るウィンドウを最大化したエクセルに一瞬にして切り替える。僕はそんな不埒な真似はしてませんが、そういうことになってますが、多くの人にとってBoss is Coming! パニック・ボタンの発動だ、という使い方をされやすいショートカットではありますな。え、違う? どうなんだろう。

 さてアプリケーション切り替えウィンドウに関しては、Macintoshが後発です。特にウィンドウが表示されるようになったのはPantherからだといいます(OS 9以前はなにも出さず、 OS X 10.2以前はDockアイコンを利用していた)。だからちょっとした追加機能がありまして、Commandを押しっぱなしにしていると表示されるウィンドウに並ぶアイコン、これをマウスで選べるようになっています。マウス操作中に切り替えようとすると、マウスカーソルに無駄に反応して困ることもあるんですが、ともあれ、マウスで選べるという、特に僕には必要に思えない機能があります。

 それともう一点、このアイコン表示時に、Commandに加えQを押してやることで、選択されたアプリケーションを背面に置いたままで終了させることができるのです。まあ、ちょっと便利な機能がついていますということで、ちょっとしたお得機能という感じでしょうか(パニックボタン的用法に磨きがかかります)。

 OS自体の使い勝手、感触に関してはこんな感じでしょうか。OS 9からOS Xに移行する時に、OS 9ユーザの中に異常な反発が出て、印刷業の人とかは仕方がないとは思いますが、そうでない人、一般ユーザの中にもOS 9こそよけれ、OS Xは最悪との評が立ったりしましたが、僕にはそれが解せないのです。以前確かに一年少々OS X 10.1を触り倒した経験があるとはいえ、今こうして改めてOS Xに触れてみれば、OS 9からの移行にそれほど問題や困難があるだろうか、アプリケーションさえ対応してくれれば、むしろ安定性が高い分OS Xの方が良いと思われます。

 僕が変わり者なのかな。いずれにせよ、OS Xは悪い感触ではありません。アプリケーションのインストール・アンインストールにしても、ほとんどインストーラのお世話になることなく、アプリケーションフォルダにドラッグしてやるだけになって、話に聞くOS 6以前の感触に戻ったのではないかとさえ思えるのですが、いやはや人間というのはいろいろこだわりがあるもので、それが助けるときもあり妨げるときもあり、複雑であります。

おまけ

 ディスプレイにはドット抜けなしと書いておりましたが、なにやら昨夜未明にひとつ突然発生したようでありますぞ。なかったはずだよお富さん、それが突然出てくるとは、お釈迦様でも知らぬ仏であります。

 でもそのドット抜けはおかしくて、出たり消えたりします。今は消えてるので、どこにあるのか分かりません。出ても、その周囲、右肩や上側を軽く押すと消えたりして、はなはだ意味不明です。なんなのでしょう? 出るなら出るではっきりしろ、といって出るほうではっきりされても困るので今のままの方がいいのですが、これってどういう状況なんでしょうね。トランジスタが不良なのは確かなんでしょうが、なんでしょうね?


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公開日:2003.11.10
最終更新日:2003.11.13
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