シリーズ iBook G4 ららら

Tiger頼んでみた

 2003年11月にMac OS X 10.3 Pantherを搭載したiBook G4が来てから、私のコンピューティング環境は様変わりしたのでした――、いや、様変わりというのは嘘かも。システムが安定して、UTF-8が普通に使えるメーラーを使うようになって、海外の友達が増えて、iTunesに手持ちのCDを読み込ませて、とこれくらいの違いでしかありません。ですが、私のコンピューティングに対する基本的な考え方こそは違いなくとも、iBook G4が来たことで確かに大きな変化はありました。なによりコンピュータが私により身近なものになりました。

 さて、この私にとってのコンピュータをより身近なものと変えたMac OS X 10.3 Pantherもいよいよ勇退の時が迫ってきました。Mac OS X 10.4 Tigerが発売されるのです。

バージョンアップの是非

 Mac OS X 10.4 Tiger。正直いってPantherでもそれほど問題なく便利に使えているのですから、バージョンアップの必要はないだろう。そういう考えがあるのは確かで、基本的に私はこういう考えの人間です。それが証拠に、私は今までOSを単体で買ったことというのがありません。基本的にOSはハードを購入したときにインストールされていたものを使い続けるもので、OSをバージョンアップするときにはハードもろとも買い替えるという、そういうポリシーを持っていたのですね。唯一の例外が、漢字Talk7.5.1フルフィルメントキットでした。でも、これはインターネット環境とかが身近でなく、マイナーバージョンアップにCD-ROMメディアを必要とした時代であったからで、今ならソフトウェアアップデートで対応されるようなものでしょう。

 ともあれ、私はこれまでOSのバージョンアップというのをしたことがなかったのでした。

Tigerを購入する理由

 そんな保守的な私が、なぜTigerに関しては購入を決意したか。いや、随分と葛藤もあったんですよ。なんといっても、バージョンアップは面倒くさいものです。データを移行しなきゃならないし、アプリケーションやドライバが新OSに対応しないようだと、それらをバージョンアップさせる必要も生じます。私にとって問題になるのは、Macromedia Studioですね。バージョンアップさせようとすると、結構な額をとられるからといって、古いバージョンをそのまま使い続けているんですね。Pantherでは動きましたが、これがTigerでも問題なく動くとはかぎりません。異常を起こして、使えなくなる可能性も考慮しておく必要があります。

 とまあ、下手をすると金を払ってデメリットを買うことにもなりかねないバージョンアップをなぜするのか、それは新しい環境、テクノロジーを手にしたいという考えがあったからなんですね。

 新しい環境、テクノロジーというのはなにかといいますと、Spotlightか? いや、そうじゃないんですね。私の手持ちのデータは、ほとんどが公開されているHTMLなので、Googleで調べるほうがはやいです。じゃあなにかといいますと、Safari RSSを使いたいためでした。

 最近はBlogツールを用いて運営されているサイトが増えて、RSSで更新情報を一括取得することも可能といっていいくらいにまでなってきました。私はいまRSSリーダーとしてパラボナミニを使っていますが、実はこのソフトを導入したのは、Safari RSSに触発されたためだったのでした。

 RSSをブラウザで取得してざっと概略を把握したらば、シームレスに興味のある記事に移行するというのがよりスマートに、便利に行えるようになります。複数サイトの更新情報を混ぜて並べて、興味のあるものをクローズアップしていく。ああ、これはいいかもなあと思ったのでした。

 あと興味があるものといえば、Dashboard。Mail.appに装備されるスマートメールボックスもそうですね。

 私は普段文章を書くときに、EGBRIDGE付属の電子辞書ビューアを常時起動させて、便利に使っています。今回も新OS発売にあわせてEGBRIDGEのアップデータをリリースするというエルゴソフトです。これだけのやる気を見せつけてくるソフトハウスなら、多分新しいフィーチャーにも対応してくるのではないでしょうか。これまでのアプリケーションベースの電子辞書ビューアではなく、ウィジェットベースの電子辞書ビューアを出してくるのではないかという期待があるんですね。

 正直私はまだDashboardというのをいまいちよくは理解できておらず、だからそれが本当に便利なのかは新OSへの移行を成功させてからの話になるでしょう。けれど、Exposéの例もあります。Exposéは極めて便利で、私は職場ではWindows 2000をメインに使っているのですが、デスクトップにアクセスしようとしてF11を押してしまうことがままあります。職場のMacintoshはOS X 10.2 Jaguarなのですが、Exposéを始めとするフィールがあまりに違いすぎて使いにくさが際立ち、好んで触ろうと思えないほど。それほどにExposéは便利で、だからDashboardに関しても、今私が思っている以上の便利があるのではないかと思うのですね。多いに期待しているのですね。

 今私が興味を持っているウィジェットは、世界時計、翻訳、単価換算、Dictionaryのシソーラスです。なんでか。単純なことで、結構海外の人とやりとりすることが増えてきまして、そういうときの便利が単純に得られると考えるからですね。例えばこないだみたいに、IRCでイタリア人とチャットするようなこともあるわけです。このとき、世界時計は単純に便利で、単価換算も通貨の換算をすることがあるからこれまで何度も助けられてきて(計算機にこの機能があるのご存じでした?)、ならば翻訳が役に立たないなんてことはないでしょう。

 特に、この翻訳には期待したい。外国語を日本語にしてくれるのなら、私のメールの返事や翻訳のボランティアは、劇的にスピードアップするはずです。一番最初に粗訳を作る面倒を、コンピュータが代わりにやってくれる。これはもう夢のようではありませんか。しかもOSに付属する機能なんですよ!

アップグレードは面倒なのかな

 けど、楽天的に考えられないというのも事実でして、アップグレードしたあとの環境移行が面倒だなあというんですね。基本的に私はデフォルトで使ってカスタマイズとかほとんどしていませんから、OSのインストールに関しては問題ないでしょう。はっきりいって、クリーンインストールするつもりです。

 じゃあ、あとはなにが問題かといいますと、設定の移行ですね。メールは移さないといけません。果たして~/Library/Mailをコピーするだけでいけるのでしょうか。多分パスワードの絡みが問題になってくるから、Keychainsあたりもコピーする必要があるでしょうね。丸ごとホームディレクトリをコピーして入れ替えてもいいような気もしますが、こういう大ざっぱな作業にも不安が残る。というわけで、OS Xに関するノウハウのあまりに少ない私は、どうしたらいいか迷ってしまいます。

 いや、ほんと、どうしましょうかね。あと、Dreamweaverを始めとするMacromedia Studioが動かなかったりしても困るし、と、色々いやなことを考えてしまうのでした。

 でも、Tigerは注文しちゃったから、腹括らないといけない。はあ、腹括らないといけない。


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公開日:2005.04.17
最終更新日:2005.04.29
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