懐かしのハードをかおうと思ったら、オークションに行くとよい。そこで何時も高らかに、「よかりし昔」のオークション・ドリームが流れている。
血わき肉おどるオークション・ドリーム。IT革命万歳! だがどことなく懐かしのハードも古くさいマニアの夢となり、安いCRTを涙の向こうに臨むような味がする。
現代人にとってオークション・ドリームとは一体何なのだろうか?
友人から譲られた古PCに導入されたVine Linux。意気揚々と導入したのはよいのだけれど、少々メモリが少なかったようです。やっぱ、16MBじゃどうしようもない。なにをするにもSwapへのアクセスが発生し、がりがりハードディスクをいわせているようじゃ、実用うんぬん以前の問題。いつか壊れてしまいそうです。
なので、メモリの増設が急務と思われました。しかし、今時72ピンSIMMなんてどこで売ってる? となれば、オークションに参加するしかないでしょう。
オークションは危険なのです。それほど欲しいと思っていなかったものでも、入札してしまったが最後、血で血を洗うような激戦にもつれ込まずにはいられない。欲しくなかったはずのものが、なにがあっても敵に渡してはならないものに思えて、相場以上の落札価格を演出してしまうこともたびたび。そんなわけで、オークションは自粛していたのでした。
ちょっとしたものなら、友人に代理入札してもらったりしていたのですが、さすがにそれが頻繁となると、申し訳ないと思うじゃないですか。入札から落札、連絡や送金、受取の手間を考えると、そこまで厚かましくはいられないものです。
なので、一度はやめると決めたオークションに、再び参戦するのでした。舞台は、Yahoo! Auctions: オークション。
FM V-DESKPOWER SEは、メモリスロットを四つ持っているのだけれど、増設は二枚単位でしなければなりません。最初は16MBだったということは、8MB SIMMが二枚載せているといういうこと。効率良い増設をと思えば、サポートされている最大容量の32MB SIMMを二枚追加して、32*2+8*2で、80MBにするのがよさそう。それが無理なら、せめて16MBを二枚加えて48MBか、16MBを四枚にして64MBにするか。でも、できれば32MBを二枚欲しいのでした。
SIMMのカテゴリを見てみると、なかなか目当ての容量は出ていないのでした。でもうまくしたもので、大抵が二枚一組で出品されています。しかし、これは32MBと思って購入すると実は8MB*4だったりという危険があるということ、注意が必要です。
SIMMカテゴリをくまなく見てみると、ありましたありました、SIMM64MB(32MB二枚組み)が二点出品されてるではありませんか。加えてその両者は、同一人による出品。うまくいけば、送料をうまくコストダウンできるかも知れない。メモリは多ければ多いほどいいんだから、どうせならこの両方を落札しよう。
悪い癖が、またも頭をもたげてますね。
両者ともに、開始価格は二千円と良心的。終了時刻が午前八時半と、随分イレギュラーな出品ですが、これはうまくすればうまくいくかも知れません。だって、ネットワーカーって大抵宵っぱりで、朝が遅いでしょう?
当日はちょっと早めに起きて、オークションに備えました。というか、その日は平日。もちろん、仕事に行かないといけません。タイムリミットは、刻一刻とせまっていくのでありました。
着替え、荷物を用意し、朝食もとって、入札したら即出立できる態勢をととのえます。ウィンドウを二枚出して、両商品を逐一チェック。入札終了一時間前の時点では、一件入札があるだけ、いたって動きがないように思えました。
さあ、タイムリミットぎりぎりです。入札を開始し始めました。
その時点での最高値は、二千五百円及び三千円。三千五百円ほども指定しておけば、充分対応できるのではないでしょうか?と思ったので、各四千円と指定して、駆け出すようにして仕事に向かいました。
落札の行方を見届けられないというのが、複雑な気持ちでした。
出勤途中は、まさに気もそぞろといった具合でした。もしかしたら、より高値で落札しようという人間がいるかも知れない。社会人ならともかく、暇な大学生だったら、メモリ落札のために午前中の授業を捨てるくらい、平気でするに違いない。結局こういうことは、時間に余裕のある学生の方が有利なんだよな、とぶつくさ。
しかし、僕は運が良かったのか、メモリは無事落札できたのでした。
値段も二千八百円と三千百円という非常にリーズナブルな範囲にとどまり、金額の面でもほっと一安心でした。
落札後は、お決まりの連絡と振込、そして商品到着待ち。商品が着けば、後はいよいよメモリ増設です。
到着したメモリは、以前FM Vで使用されていたものと聞いています。なので、きっと問題なく動作してくれることでしょう。増設も、FM V拡張計画とかいう付属の小冊子に説明されているとおりに楽々完了です。どんなコンピュータのメモリ増設も、Power Macintosh 7100のメモリ増設を考えれば、楽勝ってもんです。
メモリの増設が終われば、いよいよ起動実験です。Linux機に電源を投入しました。
BIOS画面、130688 KB Memory Good
との表示を確認。とりあえずメモリが無事認識されたことに安心です。
メモリの威力は、想像以上のものでした。僕の使っているデスクトップ環境はWindow Maker。ちょっともっさりした使用感ですが、それはCPUの問題かも知れないので、あまりいわないようにしときましょう。
しかしなにが嬉しいといっても、ハードディスクのがりがりが激減したこと。これで、コンテクストメニューもWebブラウザの利用も、ノープロブレムです。
とかいいながら、普段の利用はデスクトップ環境を使わず、コマンドプロンプト。とりあえず現状においては、大容量メモリの恩恵にはあずかれていません。
最大のネックとなっていたメモリ問題は、こうして無事解決しました。となれば、次はネットワークカードの導入でしょう。PCI用100BASE-TXカードは、千円台で買える値頃感が魅力的。オークションの出番はなさそうです。
NICを導入するのなら、大容量ハードディスクも欲しいところ。Macintosh、Windows混在のネットワーク環境をととのえたいからです。ファイルサーバとプリンタサーバを準備したいのだけど、そうなれば現在のハードディスク容量では重荷でありましょう。せめて、5GBは欲しい。
あとは、キーボードをどうにかしたい。あの109キーボードの馬鹿でかさ。なにを考えてるのか、戦闘機の発着でもしたいのか? あの馬鹿でかさに辟易すると同時に、ちゃんと打ててるんだかどうか分かりゃしないキータッチの馬鹿鈍さ。やっぱり、マイキーボード計画は避けられない模様。しかし、購入はPS/2用? ということは、USB用も購入? すごく微妙……
USBの導入は、必要性とPCIバススロット数の関係から、見送られることとなりました。
しかし、なんにも進んでいませんね…… Linuxと全然関係ないことばっかだよ……