マイキーボード計画、再燃

マイキーボード計画、再び

 自分の中ではとっくに終わったと思っていた、マイキーボード計画PS2用にUSBキーボードを購入する際に、Happy Hacking Keyboard購入が、瞬間脳裏をよぎったのは事実です。ですが基本的に憶病者である僕は、ポリシーを捨て安心を買った――PS2マークのキーボードを購入しています。

 自分は、プライドを捨てた負け犬だ……

 そう思い日々を鬱々と暮らしていた僕でしたが、ある日掲示板に書き込まれた発言が、僕の目を覚まさせました。

キーボードについて検索中、「こととね」内のエッセイ「マイキーボード計画、その進展と挫折」 http://www.kototone.jp/com/mykbd.html に遭遇しました。

そのエッセイ中で、Happy Hacking Keyboard(以下HHK)に「イジェクト・キー」がないため、「引導」を渡されていますが、もし「1個のキーよる操作」にこだわらないのでしたら、ファンクションキーを使われてはいかがでしょうか?

HHKは、「Fnキー」との組み合わせによって、ファンクションキー操作を実現しています。そして、Quick Silverには、"Eject"というミニ・アプリケーションが付属しているはずです(Quick Silverでなくとも、OS9ならどこかに収められているかもしれません←これは未確認)。このアプリケーションを、「キーボード」コントロールパネル内にそなわった機能によって、ファンクションキーに割り当ててやれば、キーボードからイジェクトが可能なはずです。

71. Quick Silverにおけるイジェクト操作

マイキーボード計画、その懶惰と欺瞞

 ここで、僕は詫びなければなりません。僕は、ファンクションキーによってメディアのイジェクトが可能であるということに気づきながら、それをまったくフォローせずにいたのです。

 僕が、ファンクションキーによるメディアイジェクトに気づいたのは、まったくの偶然でした。職場で使用しているMacintosh、Quick Silverでの作業中、Deleteキーを押そうとして誤って触れたF12キーが、CD-ROMトレイを突然開かしめたのです。よくよく考えてみればこの挙動はおかしいのですが、昨年末においては、F12でのメディアイジェクトが可能でした。F12でメディアイジェクトが可能であるならば、マイキーボード計画最大の懸念事項はクリアするはず。じゃあ、すぐにでもHappy Hacking Keyboardを買いにいこう、となってもよいはずだったのですが、僕はそれをマイキーボード計画と結びつけることをしませんでした。F12でのメディアイジェクトは、Dreamweaverの「ブラウザでプレビュー」ショートカットとかぶっていたからです。むしろそのとき僕は、F12でのメディアイジェクトを疎ましいとさえ思っていました。

 しかしだからといって、純正キーボード以外ではメディアイジェクトが不可能といいきるような文章を、訂正しなくてよいという理由にはなりません。なので、僕はここで謝ります。

お詫び

 OS X環境下でメディアイジェクトキーのないキーボードを使用している時は、F12がメディアイジェクトキーとして作動します。この事実をはっきりと認識しながら、あたかもメディアイジェクトキーをもたないキーボードでは、メディアイジェクトが不可能であるかのような記述を訂正することなく、放置しておりました。

 このことにより、Quick SilverをリリースされているApple Computer社ならびにHappy Hacking KeyboardをリリースされているPFU、各キーボードメーカー、そしてキーボードに関する情報を求めるかたがたには、御迷惑をおかけする結果となりました。深く反省し、お詫び申し上げます。

 また、メディアイジェクトキーのないキーボードでメディアイジェクトをする方法は、アップル - サポート - TIL:Power Mac G4 (QuickSilver): CD/DVD トレイを開く方法を参照願います。

マイキーボード計画の再始動

 さて、謝っただけではなんにもならないので、気を取り直して先に進みましょう。プライドを捨て安心をとったとはいえ、マイキーボードに対する興味、関心が失われたわけではないのです。というわけで、またちょっと、なんというか、物欲の虫が動く気配を感じるわけです。

 先ほどご紹介した掲示板の書き込みには、続きがありました。Happy Hacking Keyboardの対抗馬としてぷらっとホーム」の FKB8579が紹介されていたのです。僕はこのキーボードについてはまったく知りませんでした。ですが、紹介されていたサイトを訪れてみると、どうやらこのキーボード、かなりよさそうなのです。

キーボードを選ぶとすれば

 Happy Hacking KeyboardもFKB8579も、現在のインターフェイスの主流となっているUSBに対応した商品がリリースされています。PFU製品ではHappy Hacking Keyboard Lite 2、「ぷらっとホーム」ではFKB8579/USBがそれにあたります。では、どちらが優れているのでしょうか? ちょっと、適当ですが、軽く比較してみましょう。

適当な比較

FKB8579対Happy Hacking Keyboard Lite 2:カタログスペック比較
評価項目 FKB8579 Happy Hacking Keyboard Lite 2 コメント
寸法 294.0mm(W)*134.0mm(D)*35.0mm(H) 294.0mm(W)*120.5mm(D)*38.6mm(H) FKB8579のほうが、奥行きがあり若干薄い
重さ 約600g 680g FKB8579のほうが、軽い
キーの構造 シリンドリカル・カーブドスカルプチャ シリンドリカル・ステップスカルプチャ  
キースイッチ メンブレンスイッチ、ソフトスナップ メンブレンスイッチ、ソフトスナップ 両者同じ
キーストローク 3.8mm 3.8mm 両者同じ
押下圧 記載無し 55g  

で、どっち!?

 こうして、カタログスペックだけを比較すると、両者ともに大きな差はありません。差を無理に見いだすとすれば、キーの構造がカーブド構造か、ステップ構造かというくらいになるでしょう。

 なので、僕はこのキーの構造にこだわってみようと思います。というのも、初代のHappy Hacking Keyboardはカーブド構造を採用していたためです。Happy Hacking Keyboardは当初非常に高価でしたが、リニューアルされたLiteでは劇的に値が下がりました。初代とLiteには細かな差異がありますが、僕にはこの値下げの要因は、キー構造がカーブド構造からステップ構造に変わったからではないかと、勝手に思っています。おそらくはカーブド構造のほうがコスト高。もしこれが事実だとすると、あえてそのコスト高の方式を初代HHKが採用したのは、やはりキータイプを考えるならばステップよりもカーブドのほうが優れているからであるとは考えられないか。

 なので、僕は以前からLiteのステップ構造には、少々抵抗を感じていたのでした。

ほかにはないの!?

 では、もう少しキーにこだわってみましょう。キーの感触に関しては、ほとんど変わりないのではないかと推測しています。キーストロークは同じ、おそらくキーピッチも同様でしょう。残念ながらFKB8579のカタログには押下圧の記述がありませんでしたが、これもそう大きくは違えていないと思います。どちらにせよ、このへんは実際に触ってみないとわからないことでありますから、ここで立ち止まっていても仕方がないですね。

 ということで、見て分かる部分を比較してみることにしましょう。つまり、キーの配列に着目するわけです。

参考資料

キー配列を比べてみよう
ぷらっとホームFKB8579配列図
Happy Hacking Keyboard Lite 2配列図

 見ていただければ分かることですが、両者の配列に大きな違いはありません。違いがあるとすれば、カーソルキーまわり。FKB8579はキーがひとつ多かったりするのですが、僕はこのあたりのキーにはほとんど興味をもっていないので、どうでもいいです。必要なものが必要なだけついていれば、それで充分です。では、後はどこが違うのか?

 それは、メタキー(◆キー)の大きさです。

 キー配列図を見るかぎり、Happy Hacking Keyboard Lite 2のメタキーは、他のキーとさほどの違いを見せていません。対して、FKB8579ではわずかながら幅を広くとってある。これは、意外と馬鹿にできない差ではないかと思うのです。

 Macintoshでは、このメタキーをCommandキーとして使用することになります。Commandキーは、Macintoshのキーボードショートカットの基本となるキーであり、つまり特殊キーの中では、最もよく利用されるキーであるといえるでしょう。場合によっては小指でも親指でも押されるこのキー。指の中でも最も太い親指が押すとなれば、このキーが大きいにこしたことがないと考えるのは当然ではないでしょうか。

 じゃあ、Windowsではどうなのかといいますと、これはWindowsキーとして働きます。あの終了時にくらいしか使わないキーが、これほど大きいのは不便では? さらにWindowsでは頻繁に使われるだろうAltが小さいのも不便なのでは? といっても僕はこのへんはどうでもいいのですよ。僕はこれが大きくても小さくても別に気にしません。

ダイアモンドカーソルは!?

 さて、ここでHappy Hacking Keyboard Lite 2にはあって、FKB8579にはない機能を紹介しましょう。それは、Fnキー押下で実現される、ダイアモンドカーソル的動作です。

 ダイアモンドカーソルというのは、Controlキーと一緒に特定の文字を押すことで可能になる、カーソルキー的動作です。具体的には、Control + Sが左、Dが右、Eが上、Xが下になります。カーソルキーがあればいらないような機能に思えますが、これがあるとないではちょっと操作性が違います。というのも、ダイアモンドカーソルが使えると、手をホームポジションからほとんど動かさなくても、カーソルを動かせるようになるのですから。

 では、これに関してはHappy Hacking Keyboard Lite 2のほうが優れてる、かといえばちょっとこれが微妙なのです。

 Happy Hacking Keyboard Lite 2のダイアモンドカーソル的動作というのは、一般的なダイアモンドカーソルとは違っています。配列図を見れば分かりますが、一般のダイアモンドカーソルは左手側のキーを使うのに対し、Happy Hacking Keyboard Lite 2は右手側、「;」、「'」、「[」、「/」の四つを使うのです。

 正直、僕はこの操作になれるとはちょっと思えないのです。この操作になれようとするよりも、なんらかのソフト、ユーティリティを使って、普通のダイアモンドカーソルを使えるようにすると思います。なので、この点に関しては、残念ながら保留といわざるを得ないのです。

結果発表

 以上、比較の結果、僕がキーボードを購入するとすれば、おそらく「ぷらっとホーム」製FKB8579/USBを選ぶことになるでしょう。現実面からいえば、現在キーボードには不自由していないので購入はないと思うのですが、この先を考えると分かりません。というのも、アップルのサイトでは、新しいiBookなんかを買うときにUSキーボードを選べるんですよね。ということは、絶対僕はUSキーボードを選びます。つまり、日頃の作業もUS配列キーボードでと思うだろうに違いないのであります。

 というわけで、買うのが先になるか後になるかみたいな話になってきましたね。でも、今は買わないですよ、と思います。でも、ちょっと危険な感じがしてきました。欲しくなってる? いや、欲しくなってきてます。けど、我慢するぞー、と思いたい。

おまけ

Happy Hacking Keyboard Liteを触ってきました

 梅田にあるソフマップでは、Happy Hacking Keyboard Liteが店頭においてあるのです。キーボード売り場に居並ぶ無駄に大きなキーボードの中で、その小ささはまさに圧巻、異彩を放っています。では、肝心のキータッチは? それが、わからないのですよ。

 ラップがまいてあるんですよね。緩やかにまかれているのならともかく、意外ときっちりまかれていて、キーの触感なんて全然分かりません。隣のキーと干渉して、底までキーが落ちきらないのです。これじゃ、まったくもって、意味のない展示じゃないかあ。

 だから、触感に関しては、買ってから検討するしかないんですよね。これって、ちょっとおかしいです。なんとかならんのかなあ。


わたしの愛した機械へ トップページに戻る

公開日:2002.01.11
最終更新日:2002.01.12
webmaster@kototone.jp
Creative Commons License
こととねは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 継承 2.1 日本)の下でライセンスされています。