Windowsがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!

Basilisk IIを入れてみた

 Basilisk IIというのはなにかというと、UnixやWindowsといったOS上であの懐かしの68k Macintoshを再現しようというエミュレータです。以前友人こいつを導入していて、起動のあまりの早さに仰天して、今のコンピュータの能力の高さを思い知ったのでした。

 で、今回、このエミュレータを自分の使っているWindowsノートに導入しようしたわけです。

導入にいたる動機

 なぜBasilisk IIを導入する気になったのかというと、Macintosh用ソフトのおまけに付いてきたQuickTimeムービーが、なぜかWindows機で読めなかったということがあってです。私はこれをネットワークやらCD媒体やらでWindowsに渡したのですが、なんでか開いてくれないんです。じゃあ、しかたがないから、Windows機上にMacintosh環境を構築して、直接Windowsにファイルを渡してやろうかと、そういう気になったのでした。

導入にいたる紆余曲折

 Basilisik IIは結構古いソフトで、使っている人もそんなに少ないわけじゃないから、Web上にはまとまった情報が散見されます。例えばBasilisk II Information、あるいは窓の中の林檎。懇切丁寧な解説、どう考えても失敗する気はしません。しかし問題はここにではなく、もっと根本的なところにあり、私はいきなり出鼻をくじかれるはめに陥ってしまいました。

 Basilisik IIはですね現在ではオープンソースに移行しているみたいなのですが、それはUnixだとかそっち方面の話でしてね、今回私が導入しようというのはWindows用です。つまり、Windows用バイナリの配布を期待していたのですが、まさかそのWindows用バイナリを提供してくれていたサイトがなくなっているだなんて思いもしませんでした。いや、ほんと、まじですか! って感じで、こりゃ駄目だ、友人がバイナリを残してくれていたらいいが、もし残ってないようなら断念かなあと、いきなりのいきなりで頓挫しかけてあっぷあっぷです。

 でも、世の中というのはよくしたもので、中古の楽園にて公開されているMacをエミュレートするというページに、Windows用バイナリへの生きたリンクが残されていたのでした。

 そんなわけで無事バイナリを確保。次におこなうのは、ROMイメージの吸い出しです。

ROMイメージの吸い出し

 ROMイメージの吸い出しは、なにしろうちには68k Macintoshが二台ありますから、どっちからでも適当に吸い出せばいい。楽な話ですよ。

 LC630のROMを使うことにしました。というのはですね、Performa 550はハードディスクが入っていないうえに物置にしまわれてしまっているんですよ。だからLC。

 LCを起動したのは、本当に何年ぶりでしょう。もう多分駄目だろうなと覚悟はしていたことですが、案の定PRAM保持用の電池が切れてしまっていて、時計を合わせるところからのスタートです。LCへのROM吸い出しアプリの渡しはメールを利用。同様にLCからWindows機にROMイメージを渡すのにもメールを使います。だって、Win機にはFDドライブついてないし、LCから新しいファイル共有にはアクセスできないしで、本当に使い勝手が悪くなりました。

ごちゃごちゃ設定する

 Basilisk IIの設定は、解説サイトの記載を参考にしながら、適当にやっつけました。ディスクイメージの容量は、LC630に搭載されていたのと同容量、320MB(360MBだっけ?)にして、メモリもLC630の公式最大容量である36MBに。で、後はもう適当。申し訳ない、なんの参考にもならなくて。

OSのインストール

 OSのインストールは、さいわい私は漢字Talk 7.5.1フルフィルメントキットを持っていますから、そいつを使うのが便利です。しかし、CDからのブートなんてできるんだろうかなんて心配していたのですが、そんな心配まったくいりませんでしたね。CDドライブにOS CDを入れておいたら、勝手にマウントして、勝手に起動してくれて、さらにディスクイメージのフォーマットまでしてくれた。ここまでできたら、後はなれたもんですよ。インストーラを起動。その後、漢字Talk 7.5.3アップデータと漢字Talk 7.5.5アップデータを使ってOSをアップデートし、QuickTime 2.0のインストール。最後に、アーカイバ等のユーティリティツールを入れたらもう完了。このあたりはかつて何度も何度もやった作業ですから、なんの躊躇も問題もなくクリアできました。

Basilisk IIの威力

 Basilisk IIを入れてみて、なにがすごいといってもその速度がすごい。もともとのマシンの速度をはるかに上回って、ディスクが速くメモリアクセスが速く、そしてCPUが速い。エミュレートして上回るんですから、今のCPUは本当にすごいと思います。

 速度を体感するのは、なんといってもOS起動時ですね。ジャーンと起動音が鳴ったら、ものすごい勢いでバーが延びて、はい起動完了です。これだけ速いと、再起動もまったく苦にならない。これだけの環境が、かつてPerforma 550やLC 630に支払ったよりも少ないコストで整います。

 今更ながらのことをいいますが、今のPCのコストパフォーマンスは半端ではありません。夢の時代にいると本気で思います。


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公開日:2005.12.11
最終更新日:2006.01.09
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