カルドセプト エキスパンション プラス

関西打ち上げ兼第三回アベッチ杯二日目速報

2001.3.25

 トーナメントが始まる前に、昨日使ったブック、「江戸の華」の調整をする。どうやら、今回はいつもと違い少々真面目に取り組んでいるようだ。

 基本的な部分は変えずに、守りの固いクリーチャーとして水属性にリリス、風属性にミルメコレオ、火属性にウィルオウィスプを、そしてほぼウィルオウィスプ用限定ではあるものの、ミューテーションを入れた。これにより、金むしり取りクリーチャーの座がバンディットからウィルオウィスプに移ったことになる。

 昨日の反省点である防御を重点に再調整された「江戸の華」。その成果や如何に。

第一戦

 序盤から、うまく自分の欲しい土地を取ることに成功したのはいいのだが、今日も昨日と同様の、踏み込めば必ず攻めなければならないという過酷なルール。次々と端から各個撃破されていってやきもきする。昨日打ち負けたクリーチャー、スペクターを風属性の配置したのも束の間、瞬時に滅殺されてしまい、結局残ったのは水属性にリリス。だが、これはこれでいい状況だ。

 リリスしか残らなかったのには理由がある。対戦者の呼び出したクリーチャー、ミゴールが端から端まで歩きながらクリーチャーを掃討したのだ。はっきりいって洒落にならない。しかも、手札にスクロールを三枚キープされているため、デコイに頼る気になどなれようもない。

 結局はリリス頼みだったのだ。

 だが、敵はカード運用以上に口がたった。そもそも手札からして攻めしか考えていないブック。それ以前に、レベルを上げた土地から奪いますと公言している。

 やる気だ。

 この言葉に惑わされ、リリスのレベルを上げなかったのが勝負を分けたのだった。

 もう一人の対戦者が、あえて遠回りの道を選び水属性の護符を買いためていたのを甘く見ていたのだった。その数にして五十。護符購入以前にリリスの土地を上げておくべきだったのだ。

 手元に現金を持ち歩くのは危険すぎる。リリスをはじめ、あちこちの土地レベルを上げていった。自分以上に護符持ちの対戦者の総魔力が上がる。彼も自分の持つ水属性土地を上げているので、その勢いは押さえられないほどだ。

 戦いは自分が彼をサポートするかたちで終了。土地を奪い取ると公言していた彼は、ドラゴノイドに重クリーチャーを付けて攻める戦略でいたのだが、結局頼みの援護クリーチャーを引けず、エルダードラゴンにベヒーモスを持て余し苦闘していた。

 結局今戦いの結果においては二位。しかし、昨日の事を考えればずっと好成績を残すことができた。満足はできないが、比較的よい戦いができたのではないだろうか。

 しかし、終了後の戦略分析の際にいわれた言葉にはやられてしまった。勝つ気のブックじゃなかったでしょ、って本気で勝つ気だったんですけど……

第二戦

 第二戦は二位リーグで戦うことになった。スタート直後に手元に入ったクリーチャーはデコイとルナティックヘア、スペルはジャッジメントだった。とにかく土地を取らなければ話にならないので、まずはデコイを、続いてルナティックヘアを、水属性土地に配置することに成功した。まずまずのすべり出しではないかと思っていたら、一人の手札にルナティックヘアが! このままではデコイがやられてしまう。焦っての二周目、ダイス目はまさにデコイの隣を指した。急いでクリーチャーを召喚。ミルメコレオ、どの土地でも守れる盤石のクリーチャーだ。

 リバイバルを次々と打ったことも幸いし、手札にはほぼ常にヘイストが入っている状態。高速で周回し、十ターンを少し超えた時点で二周の差をつけてトップ。ミューテーション二回がけで強化したデコイにミルメコレオ、レモラ、ルナティックヘアを水の続き地に配置し、首尾は上々。レベルも順当にあがっていった。さらに飛び地の水属性土地にもデコイがいるなど、負ける余地のない状況だった。

 だが状況は変わった。敵の手札にはライフジェムがあり、クリーチャーはドッペルゲンガー。レベル4デコイに踏み込めば、間違いなく絶叫でこれを降すだろう。しかも、ヘイストを使いデコイに踏み込む確率を上げる。

 しかし、叶わずダイス目はミルメコレオを示し、彼はたまらず外周部に退避。ショップでバックワードを買った。

 彼はやる気だ。しかし、魔力がバックワードの使用を許さず、大回りを強いられることになった。

 だが彼の手札にさらなる脅威、デコイが入った。絶叫の準備が整い、洒落にならない。もう一人の対戦者はバインドミストをデコイにかけるかあるいはミルメコレオにかけるかで逡巡。まさに二者に追われる過酷なゲーム。ひりひりする。

 グレムリンアムルを望むが引かず、レベル4レモラが絶叫の前に倒れる。隣にいるルナティックヘアをクリーチャー移動して取り戻そうとするその前に、バンパイアが入った。続いてワイルドグロース。これでもう倒せない。

 彼の地属性連鎖がものを言い、自分の土地が一気に敵拠点に変わった。レベル4バンパイアを目前にして、ライフジェムを手札に引いていた自分はHP60にまで育てたデコイをレモラと交換。絶叫の準備を整える。そこへシャッターがライフジェムを破壊。彼は逃げ切りを狙っている。

 ランドプロテクト付きのマミーがレベル5にあがり、後はもうゴールすれば終了。自分の手札には未だジャッジメントが残っているが、相手はそれを見越して持ち金を0にまで下げていた! もう終わりとあきらめたところが、ここで状況を一転させるスペルが打たれた。

 バックワード。先ほどのデコイを攻めあぐねた際に購入されたカードだった。城を後二マスにつけながら、大幅に後退するトップ。しかも、その直後にウェザリングがレベル4バンパイアに打たれた。連鎖が崩れ、護符価値暴落。勝利はお預けになった。

 しかしなぜバンパイア? そう、彼はやる気だ。固唾を呑んで見守る。隣にはルナティックヘアを下したアンバーモスがいる。クリーチャー移動でバンパイアを消すつもりなのだ。

 トップを走っていた彼も手をこまねいていただけではない。ミルメコレオにバインドミストをかけ、奪いかかろうとする。それをリリスに換え、危うきを逃れた。次いでレベル5にまで上げる。

 レベル4バンパイアにアンバーモスが移動攻撃をかけた。彼の手札にはマジックベルト、それを退ける策をバンパイア・オーナーは持たない。地形効果を得られないバンパイアはどちらにしても勝てず、こうして土地が移った。

 この勢いで、彼はまだまだ攻めていくつもりだったのだろう。我が主力拠点のリリスも削られて、そのHPを20にまで落としていたとき、アンバーモス・オーナーがリリスに止まった。こちらの手札は五枚。向こうはアイテムを持たない。だが、勝てる見込みはゼロではなかった。スペクターがいた。

 HP20のリリスは地形効果を得てHP70。攻撃力は隣のレモラの支援を加え60。スペクターがSTを60以上、HPは60より上を出せば奪われてしまう。

 まさかそんなことはあるまいと高を括るが、万が一ということもありえる。緊張の中結果を待ち、スペクターは期待に応えず消えていってくれた。

 手元に転がり込む膨大な魔力。通りすがりに適当に押さえていた土地を水属性に変化させ、連鎖を増やす。ところが、ここに来てレベル5マミーに止まった。手札にはこれを下すことのできるクリーチャーはおらず、頼みはリトルグレイの誘拐。

 いやな記憶が脳裏をよぎった。ここぞというときに誘拐は失敗する。誘拐失敗にかけての実績には自信があるのだ。

 だが、リトルグレイはよく働いてくれた。マミーはどこぞに飛ばされ、一気に総魔力は万を超える。

 有り余る資金を、放置していた水属性デコイに費やしレベル5土地をさらに一つ確保。リトルグレイを降されレベル5土地を失うものの、もう勝利は揺るぎない。

 こうして二十八ラウンド目に帰城し、周回ボーナスを得て終了。珍しく、勝ちを拾ったのだった。

今回の反省

 第二戦目は運が良かったのひとことに尽きる。土地のやり取りも多く激しいアップダウンゲームであったものの、皆が今回の特殊ルールを遵守したためか、アンサモンが一枚も出なかったのだ。

 対し自分はランドプロテクトを入れていなかった。もし誰かがアンサモンを持っていたなら、途中で高レベル土地を引き抜かれ、終わっていたことだろう。

 MVPは攻めに強く守りも堅いリリス以外には考えられない。よく攻め、守ってくれた。加え、何度目の正直だろうか、敵拠点に止まるという窮地で誘拐をよく決めてくれたリトルグレイには感謝したい。

 なお、今回はトータルで五位。まずまずの成績だった。優勝者はマサ・オサダ氏。いかなる状況にも対処し、常に結果を出している。さすがの手腕に、恐れ入る次第であった。


本日使用ブック「江戸の華2」

関西打ち上げ兼第三回アベッチ杯一日目速報

「カルドセプト」運命の殿堂 カード無頼一代に戻る

公開日:2001.03.26
最終更新日:2001.09.02
webmaster@kototone.jp
Creative Commons License
こととねは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 継承 2.1 日本)の下でライセンスされています。