Wizardryにおいてキャラクターというのはつまるところパラメータの集まりに過ぎません。グラフィックなんてない、それこそ数字だけでできあがってるようなキャラクター。ヒットポイントの多少、各特性値の多少。これがWizardryにおけるキャラクターの本質であろうかと思います。
しかし、このパラメータに過ぎないはずのキャラクターが、いつの間にか個性も性格も備えた冒険者に変わってくるのです。一体なにがこうした変化をもたらすのでしょう。一番濃厚なのは戦闘時の行動でしょう。出の早いやつ、手の遅いやつ、間の悪いやつ、いいところをかっさらっていくやつ。パラメータによって左右されているだけであるはずのこうした動向が、名前以外に個性なんて見えなかったキャラクターを息づく冒険者に変えるのです。
うちの冒険者たちにも、こうした個性が徐々に見えてきたように思います。最初に見えたのは盗賊ではなかったでしょうか。そつなく仕事をこなす第1パーティのAllegoriに対し、標準的な第3パーティのGoulet、変に間の悪くおっちょこちょいという印象のぬぐえない第2パーティのHeresie。こうした模様は、以前に少しお伝えしました。しかし、盗賊だけが個性を持つわけではありません。パーティそのものもそうなのです。
第1パーティは、なにしろ最初に迷宮に潜り、最初にレベルのあがっていくパーティであるから、未踏の場所の探索にいくことが多い。つまりいやがうえにも慎重にならざるを得ず、結果地味ながらもまとまって堅実なパーティという雰囲気を漂わせています。第2パーティは第1パーティの逆を衝くかのようで、とにかく動揺が多いのです。Heresieが次々と罠を引き当てるは、無謀な戦いの結果死人まで出してしまうは。当初予想では、第2パーティがもっとも有望視されていたのです。第1パーティのメンバーで一番ボーナスポイントが多かったのは戦士Butinの7。凡人パーティであり、第3パーティも僧侶Savoieが8を出してるものの残りは皆凡人。ところが、第2パーティは妙にメンバーに恵まれています。筆頭はBP19の戦士Envahir。ついでBP9の戦士Le、同じくBP9の僧侶Jannirが続きます。あのおっちょこちょいといわれているHeresieもBP7と凡人ながらも健闘していて、能力の高さから見れば一番活躍するのは第2パーティなのではないかと思うのもほかならぬことかと思います。ところが現実を見れば堅実な第1パーティ、善悪混成のためか妙に緊張感の漂う第3パーティ。両パーティともに浮き沈みの少ない安定路線をたどっているのに、第2パーティだけ一体なんだってんだ。浮ついて落ち着かないという印象ができあがってしまっています。
その第3パーティで順番の変更がありました。レベル2からレベル3にあがったときのこと、当初前衛に出ていたJannirのHPが14から15にしかあがらなかったのに対し、Queuxは8から18という飛躍的な伸びを見せたのです。全般に優秀なのはJannirであろうかと思われましたが、とにかく戦場でものをいうのはHPの高さです。よってQueuxが前衛3番手に出、Jannirは後衛4番手に下がることとなりました。
この異動にともないQueuxは盾を購入。後衛に下がったJannirは今では、いつか司教にクラスチェンジする日を夢見ています。
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ノーリセットで駆け抜ける青春:Index 「Wizardry」リセットボタンのない人生(仮)