イタリアといえばファッションの中心地。ミラノがあります、ローマもあります。そしてフィレンツェもあります。というわけで、今回は衣食住の衣の巻。
イタリアには世界に誇るブランドが多々あります。例えばグッチ、プラダ、フェンディ、アルマーニ、フェラガモ、ブルガリ、カルティエ――はフランスか、と語るに落ちたところでブランドに関しての知識は終了。はっきりいってブランドに関しては詳しくありません。イタリアはいった先々にブランドのショップがあることは分かっていたのでありますが、その前を通りがかったりもしたのですが、あまつさえ入ったりもしたのですが、最高に居心地が悪かった。
だって、一般にイタリアンブランドショップを訪れる日本人といえば、自らブランド品に身を固めたお洒落さんと相場が決まってるだろうところなのに、思いっきり普段着の、日本での日常となんら変わりない服装でブランドショップに入る。これは罰ゲームですか、というくらいの違和感がありました。
というわけで僕がいったのはCoinという名前のデパートメントストア。ここは服飾を中心とした色々をいろいろ物色することのできるいいお店でした。最初は買わない予定だったのがいうほど高くなく、手ごろでよさそうなものがあったので購入にいたったのでした。
ちなみに買ったのはシャツを二着、ズボンを二本。両方とも愛用しております、というのは実は嘘で、シャツは片一方しか来ていないという始末。気に入って着ているものはシャツにしてもズボンにしてもイタリア滞在中から着始めていて、香港旅行中にガムを付けられて荒れたというのが実はこのとき買ったお気に入りの方のズボンだったりします。
ちなみにお気に入りのシャツというのはオリーブグリーンのくたくたでだぶだぶのもので、両胸にポケットが付いているのですが、このポケットがちょっと面白い。ファスナーが縦について開け閉めできるというもので、デザイン的にはよいのですが使い勝手は悪いという代物です。でも気に入っています。
イタリアでよいと思ったのはズボンでした。無駄に背が高く無茶に痩せている僕に合うズボンというのは日本では少なくて、そもそもウエストに合うズボンはなくて、足に合わせると胴がぶかぶかというとんでもないことになってしまいます(だからお直しが必要です)。ところが日本に比べると人種的多様性が豊かなイタリアでは、胴腰まわりはさほど大きすぎず、でも足は充分に足りてあまるというズボンが普通に売られている。これは実によいと思った。お店のお姉さんにお願いして色々サイズを出してもらって、試着してみたりして、ズボンを選ぶわけでして、こうして選ばれたズボンは普通に地味なものに落ち着いたのですが、地味結構、いいじゃないですか。気に入って今も着ていますし、ズボンと一緒にCoinも気に入りました。
というわけで、Coinが日本に進出してきてくれればよいと思った、フィレンツェでの一コマでした。
他にCoinで買ったのは胡椒挽き。地下階に台所まわり商品とか食器とか売っていて、前から欲しかった胡椒挽きが安かったので買ってしまいました。
日本じゃ今でこそ一般的な胡椒挽きですが、昔は高かったなあ。いや、それだけです。
いくらなんでも自分が知らないだけで、日本にだって胴細目足長めのズボンくらい、いくらでもあると思います。