一念発起フランス語

まだ仏作文で知る単語と文例

フランス語学校、セカンドシーズンの始まり

 先週、春学期が終わったと思ったら、切れ目なしに夏学期の始まりです。クラスももちろん、前学期を引き続いて、同じ先生、同じ学生、同じ教科書、同じ教室での勉強です。でも、悲しいこともあります。というのは、この夏学期の途中で、先生はフランスにいってしまわはります。加えて、学生がたった四名しか集まらなかったため、このクラスは上級 Reflets I クラスに吸収されることとなります。上位クラスとの差はわずか五エピソード。それを始めの数週で片づけた後に、われわれは上位クラスに編入することとなります。

 先生は楽しく、かつ僕と大いに趣味のあう人だったので(本とか映画とかね)、その先生と別れるのは残念ですが、さよならだけが人生だという言葉もあります。これもまた人生と割り切り、将来の自身に心を馳せましょう。

 さあ、夏学期の始まりです。超特急の授業、振り落とされないように頑張らねばなりません。

第十七エピソードの終了

 本日は、第十七エピソードをやっつけました。題目は指示代名詞 (celui, celle, ceux, celles) 、疑問代名詞 (lequel, laquelle, lesquels, lesquelles) そして半過去 (L'imparfait) 。よく分かってるかと問われれば、ある程度は分かってますとしかいえないですが、文法はもう何年もやって来た僕です。気分としては、どんとこい、てなもんですよ。授業のテンポが速いので、気を張りっぱなしというのも、勉強としてはよい環境といえます。楽しい、楽しいですよ。

 一気に五エピソード進むといっても、僕にとっての問題というのは聞き取りであったり、話すというそのことの経験であったりするわけなので、むしろ短期間で多くを通過するのはよい勉強になりそうです。大切なのは、場に臨み与えられたもので受け答えをするという能力、アドリブの精神です。夏休みまでに、この方面を鍛えることができたら嬉しいなと僕は思っています。

 フランスにいっちゃう先生になにかあげたいと思うのだけど、一体なにがいいだろう…… 本か? それとも、弾まないゴム球だらうか?

フランス語で作文をする

 五回にわたって、フランス語作文の効用を説いてきましたが、ひとまず今回で作文については終了です。作文で覚える単語と文例、なかんずく作文が単語の学習に役立つというのが、今回の話題の中心となります。

フランス語は単語の使いまわしが嫌い?

 フランス語学習をしていたころに、気になったことが二三ありました。主にそれは文章読解において顕著でして、なかでも記憶に残ったことがひとつありました。それは、フランス語では単語の使いまわしを避ける傾向がある、ということです。

 使いまわしを避けるというのは、あるものを表すために一度使った単語は、二度目には言い換えて別の単語で示されるという傾向を指しています。欧米言語でいうところの、一度出た単語を二度目以降は代名詞で受けるということとは、少し違います。なんらかの事情で代名詞を使わない場合に、同じものを違う語で受けるのです。

 この傾向を説明するための典拠に乏しいため、かすかに残る記憶に頼るほかないのが残念です。例えば、この傾向は動詞などにおいてよく見ることができます。一度目は食べる manger だったものが、二度目には摂る prendre になり、さらには bouffer が使われる、みたいな現象がおこります。名詞においても同様のことが起こるようで、ちょうどその講座(ラジオだった)でこの傾向について説明されたときに、こんなことをしてフランス人は混乱しないのだろうか、と思ったものでした。日本語においては、代名詞をあまり使わないうえ、同じことを指すときには同じ用語を使い続けるのが普通です。言葉が変われば、考え方や作法も大きく変わるのだと、意識し実感したのでした。

 しかし、この傾向は厄介ですよ。仏作文をする際に、代名詞で受けられない場合に言い換えの語を探さなければならない話になります。幸い和仏辞典を見れば、ひとつの見出し語に対し複数の語彙が収録されているのがほとんどです。なので、一つ目は一番ふさわしく一般的な語を使うと決め、二回目にはこのうちのどれかをキープしておこう、みたいな意識が働くことになります。ひいては、こういうことを続けていくうちに、頭の中の類語辞典が充実してきて、言い換え語に詳しくなるというものです。

 語彙というのは、基本のものが一通りあれば済むというものではありません。状況に応じて使われる語が変わることはしばしばですし、使えなくとも聞いて分かる、読んでわかるくらいにはしておきたいものではありませんか。ある程度、語の持つ雰囲気なんかが分かるようになってくれば、必要に応じ使い分けることもできるかも知れません。いわば単語の使いまわしを嫌う作文は、洗練されたフランス語への一歩となる――んだろうか? はなはだ疑問もありますが、やればなかなか悪くないものですよ。


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公開日:2002.06.29
最終更新日:2002.07.06
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