フランス語夏季第二回目の授業は、前回に引き続き超特急で進みます。いやはや、なかなかの速度で緊張感もひとしお。勉強するには非常に良い環境になっています。
さて恒例の「先週の出来事」。今日の僕のトピックは、先日僕宛に届いたフランスからのe-mailでした。僕が運営しているもうひとつのサイト、Au coin du mondeの読者からのメールです。このことをいったらば、文通は非常に勉強になるので頑張るがよいとの力強い言葉を先生からいただきました。そうか文通は語学の勉強によいのか、とちょっと頑張って返事を書いてみようかと思います。ちょっと難しくはありますけどね。
超特急授業のせいかあって、一エピソードを終了。今日のトピックは前回に引き続いて半過去でした。理屈はわかってるんですが、いざ使うとなるとちょっと迷ってしまいます。勉強、頑張りましょう。
皆さんは『父 パードレ・パドローネ』という映画を御存じでしょうか。1977年に発表されたイタリア映画で、カンヌのパルム・ドールも受賞した名作です。イタリアはサルディーニャ島で羊飼いの生活を送っていた文盲でイタリア語を分からない青年が、イタリア語を学び知っていくことで広く世界と出会ってゆくという、真の意味においての感動的名作です。この青年は軍隊でイタリア語を学ぶのですが、その学習の方法が僕にはすごく衝撃的でした。その方法とは、友人からもらった辞書を読んでいくというもの。電気のついているトイレにこもって辞書を読みふける青年の姿に、僕は本当に打たれたのです。青年はその後言語学者になり博士号を取る――頑張れば成人してからの学習でも大成可能なのであります。
いやいや映画の筋じゃないか、フィクションじゃないかという人もいるかも知れません。ですが、この映画は言語学者ガヴィーノ・レッダの自伝を原作にしている――つまりすべては実話なのです。僕はこの映画をはじめて見たときに、今まで苦手にしていた外国語の勉強を頑張ろうと思い立ちました。二度目にこの映画を見たときには、レッダ氏に憧れるあまり小さなフランス語辞書を買いました。なんのためかはいわずとももう知れています。読むため、読んでフランス語を学ぶためにほかなりません。
僕が買った辞書は、辞書の名門 Larousse の «Mini dicrionnaire de français» 。なぜこの辞書にしたのかというと、行った本屋(紀伊国屋書店)にたまたま置いてあっただけという単純な理由なので、あまり参考にしないでください。辞書自体は悪いものではないと思いますよ。
さて辞書を読む学習の成果は出ているのか、といいますと実はちょっと大きなことではいえない。というのも、ちょっと暇があるときなんかにぱらぱらと適当にめくったページから数ページ読むというのの繰り返しで、レッダ氏のようにまとめてがつんと読んだことはないのです。それにコンスタントに読むというのならともかく、思いだしたときにちょこっと読むそして長く忘れるの繰り返し。身に付くはずもないというものです。
でもフランス語をフランス語で理解しようとするのは、非常に有効な手段であると思います。簡単そうな単語なら、仏語で調べて言い換えや語彙を増やす、フランス語力をつけるのですよ。というわけで、ぜひお勧めしたい勉強法です。一緒にガヴィーノ・レッダよろしく言語学博士を目指しましょう。
以前、仕事でトルコ人留学生と一緒に取材にいったことがありました。取材を追えての帰路の車内、ちょっと時間が空いたので辞書を読みはじめたらなにをしているのかと聞かれました。フランス語の勉強のために辞書を読んでます、映画パードレ・パドローネの真似ですよ、と説明したら、それは最も難しい学習法だといわれました。いや自分でも分かってるんですよ。全然簡単じゃないです……
< まだ仏作文で知る単語と文例 花に嵐の譬えも有るけど…… >
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