アストリアス D. カスタムの初期弦、D'AngelicoのPB-LをJ. D'AddarioのEJ16に張り替えてみた。みたもなにも、私の弦のストックはD'Addarioしかないんだが、まあそれでどういう風に音が変わったか覚書にしておこう。
以前私は、D'Addarioを派手さはないけれどもしっとりとよく伸びる
と評したことがあった。これがPhosphor弦になれば、音の響きはふくよかで、高音域はソフトで素直
であると。今回、アストリアス
D. カスタムにD'Addarioを張ってみての感想は、おおむねそれらに準ずるものであった。地味である。派手さに欠ける。けれどきちんと弾いていけば、ちゃんと鳴っていることがわかる。そういうのがD'Addarioなんだと思う。
はじめ、最初の弦の鳴りが悪くなってきて、さすがに長く弾いたからと思いD'Addarioに替えたときは、そのあまりの鳴らなさにびっくりした。なにしろ、それまでの古い弦とちっとも変わりがないとまで思ったほどだ。
だが、これは早計であったわけだね。弦の鳴りかたが違うのがまず前提だった。D'Angelicoはふわりと響きが散るように鳴る。これがアストリアスギターの情報、弦についてにいう、D'Angelicoは「明るい音」がする
ということなのだろう。はじめてD.
カスタムを弾いたときの、以前とはまるで違うという印象は、ここに発している。あまりに違っていたため、本当に驚いた。これほど違いがあるとは思いもしなかった、それくらいに違ったのだ。
その時の違いがあまりに大きかったため、D'Angelicoを必要以上に華やかと記憶している可能性があることはいっておく必要があるだろう。しかしそれを差し引いても、確かにD'Addarioは地味だ。音としてはタイトで、まとまりがあるともいえる。
しかしこのタイトで地味なはずのD'Addarioが、時折思いもかけず、響きをあたりに散らすことがあるのだから、簡単には評価ができない。なにげなく指が弦にかかったようなときに、そういう響きがすることさえあって、これはつまり、私の弾きかたにもD'Addarioを地味と感じさせる要因があるということかも知れない。
だから、D'AddarioにはD'Addarioなりの傾向があることを諒解した上で、その上の華やかさ、響き、鳴りを求めることが可能と感じている。つまり、後は練習によるということ。精進によっては、タイトな音も派手な音も得られるかも知れないである。
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