カポを買いにいかなくちゃ

 フラメンコギターを買って、所有するガット弦ギターが2本になった。そのうちの一台は職場に置いてあり、フラメンコギターは自宅での練習及びレッスン用。さて、このように楽器が離れた場所に点在するようになって、ともないいろいろ備品もそれぞれに用意しなければならなくなってきたようだ。具体的にいうとカポが問題なのだが、ほらメトロノームは自宅でしか使わないし、チューニングは電話の音で合わせられるし、けれどカポはそうもいかなかった。歌うとき、自分の声域に調を合わせるのに重宝するのがカポであるわけだが、やはりこれがないと歌うに不便なのだ。だったら持ち歩いたらいい、ポケットに充分入るサイズだという考えもあるにはあるが、忘れてしまったりするといやだなと、だからもうひとつカポを買おうかと考えたのだ。

当初の選択肢

 私の今使っているカポはJim DunlopToggle Capoであるが、これは取り付けが簡単でしかも軽いというメリットがある反面、微調整が利かないというデメリットがある。例えば私のフラメンコギターに取り付ける場合、2カポだと割合いいが、3カポだとちょっときつく感じる。かといってひとつ緩めると緩めすぎではずれてしまう。こんな感じなので、ちょっと使いにくいなと思っていた。

 なので買い替え時にはKyserにしようと思っていて、というのはジプシーキングスのメンバーがこれを使ってることを知ってたから。けど、それだけじゃない。私はこのカポのシンプル設計が結構好きで、2本のびたハンドルを握って開き、クリップ止めするみたいにしてはめるだけ。Michael Eskinが取り付け簡単といってお勧めしているのもポイント高かったね。けど、これ握力の弱い私にはちょっとばねが強すぎて使いづらく、そしてなによりばねの力で弦を押さえるため、やっぱり微調整が利かないのだ。押さえたその強さがすべてという、ある種潔い設計。こういう設計思想、結構私は好きで、このへんはもう性分だというほかないだろう。

 だから、結局Shubbを買うのではないかなと思っていたのだ。てこの原理で弦を押さえる。取り付け簡単で調整も簡単と定評のあるカポだ。私はスチール弦用のものをひとつ持っていて、これは主にレディーバード弾くときに使っている。ローポジションとハイポジションで締めつけ圧を調整する必要はあるが、一度調整しておけばまあ後はある程度いいかげんでもいけるので、割合楽なカポなのだ。

 と、このようなことを考えてきて、けれど私は思いもかけずまた別種のカポを選んでしまうだろう。

カポの決定版

 なぜか。それはG7thのカポにクラシック用がリリースされたというニュースを得たからだ。正直な話、やったと思った。私はこのスチール弦用のを持っているのだが、これの使い勝手は格別だ。微調整がいらない。力もいらない。カポを目当てのポジションに持っていって、くちばし部分をぐっと締めるだけ。このときの押さえる力がそのまま弦を押さえる圧になる。びびりが出ない程度に加減してやれば音程の狂いも少なく、それはすなわちチューニングのやり直しが楽になるということと考えてもいいだろう。もちろん厳密さを考えるならきちんとやり直すべきではあるが、だが神経質になりすぎないなら、そのままで充分対応できる余地がある。本当に、これはいいカポだと思う。

 今、フラメンコギターを弾く際に、スチール弦用のG7thカポを使うこともあるのだが、いやこれは単に横着でそうしているだけなんだが、それでも充分対応できていて、ところがこれがクラシック用にとリリースされているものであったらどれほどしっくりといくだろうか。そう思うと是非これを入手せねばという気持ちになるのであった。

 というわけで、近々カポを買いにいくことになろうかと思う。もちろん買うのはG7thカポ。もう決まったも同然なのである。


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公開日:2007.05.22
最終更新日:2007.05.22
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