昨年十月末のこと、ちょっと思うところあって効率良くタイピングできるというキー配列、Dvorakを使いはじめたのでした。最初の数日こそは苦痛でありましたが、一週間ほどもすれば結構慣れて、たいしたものだなあと思われたのですが、もちろんなにもせずに放っておいて慣れるわけもありません。毎日のサイト更新およびBlogの記事を書くのに加え、タイピング練習もしていたのです。それは、Dvorakを紹介するサイトDvorakJPにおいて紹介されていたABCD: A Basic Course in Dvorak。システマティックにDvorakタイピングを学ぶことのできる練習課題で、これは実に有用だと思われ、暇を見付けては少しずつ課題をこなしていたのですが、ところがですね、どんどん増えていくテキスト量、Lesson 11くらいでしたかね、いったい今自分はどの行を打っているのかわからなくなってくるという問題が生じはじめたのですね。
まいったなあ、何度やっても課題をクリアできないぞ。それに、ミスタイプしても気付きにくいというのも問題だ。なんとか効率良く練習できるようにしたいなあ。
そのように思われたものだから、タイプ練習ソフトを作ることにしたのです。
できるだけ簡単に、できるだけリソースを使わずに済むものを作ろうと思いました。手軽さを考えると、ブラウザ上で実行できるものがいいな。といったことから、JavaScriptで作ることに決めました。まずは手始めに入力された文字を拾って判別させるところから始まって、次いで用意されたテキストと文字を比較し、正しければ文字色を変え、間違っていれば誤りとしてカウントするようにして、といった具合に少しずつ機能を増やしていって、最終的にはJSONで記述された外部ファイルを読み込むところまで作りました。
もちろんプログラムですから文字打つわけです。当然Dvorak。そして、ちゃんと機能するか確認するために、課題テキストを何度も反復して打つ必要があって、最初のテキストはリンカーンのゲティスバーグ演説でしたが、これ何度打ったことかわかりません。その後も機能追加するたびに確認で打って、課題が増えてからは違うものも打つようになりましたが、いずれにせよなんらかのテキストは打つわけです。これがいい練習になったのでしょう、結局プログラムが完成する前に、Dvorakでのタイピングがスムーズにできるようになりました。なんか本末転倒のような気もしますが、まあ目標は達したからいいのです。
Typexという名前は、typing exerciseという名前を適当に縮めて作りました。別になんでもよかった。それほどの意味もない名前です。
さて、このプログラムですが、おとついに一般公開されるまで、実はこっそり公開されていたのです。リンクを作成していなかったため私の知り合いしか知らずにいたのですが、とりあえず打ってもらって、問題あったら報告してもらおうかなと思っていたのです。それともうひとつ問題があって、Dvorakの練習課題、ABCDを利用することの許可をもらう必要があって、作者であるDan Wood氏に連絡しないといけなかったんですね。それがちょっと遅れました。慣れない英文ですからね、それをえいやっと書き上げたのが1月12日の夜、13日の0時過ぎ(日本時間)に返事がありました。なんというスピーディーな展開! よって、12日の更新としてTypexを公開することができたのです。
Typexはajax風インターフェイスを持つタイピング練習プログラム。ajax風というのは、XMLを使っていないからです。タイピング練習しかできない、簡単な単機能ソフトですが、もしよかったら使ってみてください。そして、Dvorakも面白そうだと思われましたら、チャレンジしてみてください。