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iPodにおける動画について

 さて、ようやく新iPodのニューフィーチャー。動画再生機能にたどり着きました。私は、日頃面倒で動画はあんまり見ないというのに、新しい機能なら使わないと損とばかりにiPod用の動画を用意したわけであります。で、その首尾はどうであったか。そいつをちょいと書いてみようかと思います。

ムービービューアとしてのiPod

 動画を再生してみたところ、iPodの動作はなかなか上々。表示が遅いなんてことは特に感じないし、こま落ちなんかもない模様。まあ、用意した動画というのがiPodに最適化されたものということもあるのでしょうが、とりあえず現在のところ、ムービービューアとしての機能に問題は見られません。

 さて、液晶についてですが、現在のところ問題は感じられません。ただ、これまでのiPodに比べれば大きくなったとはいえ、PSPを相手にすると一回りどころか二回りくらい小さなものなので、あまり長い映像動画を見ようという気になるもんじゃありません。動画は写真と違い、ぱぱっと見るということができないものであり、また音楽とも違い、バックグラウンドに流しておいてというものでもありません。どうしてもある一定の間、注視することを要求する。iPodでの動画観賞は、それだけのハードルをクリアできるのかといえば、今のところクリアできそうにないなあというのが私の感想です。

 まず、歩きながら、移動しながら動画を見るというのは無理ですよね。もちろん、作業しながらというのも無理。iPodでの映像試聴は、テレビをつけっぱなしにしてというのとは根本的に違うのです。じゃあいつ見るかといえば、じっと据わってなくちゃいけないようなとき。まあ、普通考えたら移動中の車内であるとかですよね。けど、電車の中でじっくり映像を見て、なんてのもちょっと考えにくい。揺れる車内、小さな画面を注視して、はたしていったいなにを見るのか。ドラマか? 映画か? ちょっとしたビデオクリップなら電車バス内で見るのもありでしょうが、別に無理にそんなの見る必要はなくて、音楽だけで充分です。

 家に帰ったら、テレビがあるからiPodで動画を見る必要はなくなります。コンピュータだってあります。だから、iPodの動画機能はどうにも使いどころが見えないのです。

iPodでの動画観賞の可能性

 ただ、ひとつだけiPodで動画を見られるメリットというのがあるんですよね。それは、人に動画を見せたい時です。好きなアーティストのビデオクリップとか、ちょっとしたお宝映像を、写真を見せるみたいな気軽さで友達に見せることができるのは、これまでにちょっとなかった楽しみでしょう。実際私は、こうした楽しみ方を、デモンストレーション用に用意した動画で知りました。クラシック好きにはグールドを用意し、漫画好きにあずまんがWeb大王。他にもいろいろ用意しているのですが、こんな風に、きっとこれをみせたら面白い、喜んでもらえるという映像を用意するのは楽しいものです。

 私の場合は、既存のムービーを利用しようというものでありましたが、別の可能性もありますよね。それは、自作のムービーを人に見せる場合です。自作のムービーたって、映画なんか撮らないよ。でも、子供の運動会とか学芸会なら撮るでしょう? そうです。自分の子供の一番輝いている瞬間をビデオに残し、iMovieで編集し、iPodに収め、友人知人会社の同僚、飲み屋でたまたま隣り合った誰かに見せることができるのですよ。この素晴らしき可能性たるや! 動画はテレビの置かれた居間を飛びだして、あらゆるところで試聴されるようになったのです! 誰も彼もに親ばかぶりを見せつけて、うざがられる時代が到来したのです!

 てなわけで、まあこういうのは程々にしといた方がいいですね。まあ、私に関しては一応動画は入れてみたけど、デモンストレーション以上に活躍することはなさそうに思います。でも、デモンストレーションで充分楽しかったからこれはこれでありであったと思っています。


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公開日:2005.10.27
最終更新日:2005.11.02
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