半年が経過して、D. カスタム Sもいよいよ育ってきているという実感が強まっている。胴全体が振動していることがわかる。音も、より以上に充実した響きが得られるようになって、私は思うんだが、鳴るギターというものを知らなかったんだなあという思いでいっぱいなのだ。
よく鳴るようになったなあと思いながら弾いて、けれどそれはまだ終点じゃないというのがすごいなと思う。これが鳴るってことなんだと思っていたのが、それ以上に鳴ることを経験して、あれは途中経過であったのかと気付く。だから、いったいいつごろに、この楽器の本当の鳴り方にたどり着けるのか、まったく予測もつかない。
こないだのアンサンブルにはピアノも参加して、しかしあのピアノってやつはすごいなあと思うよ。アルペジオもできるしもちろん和音もお手の物。ギターにできてピアノにできないのはストロークとかベンドとか、そういうのくらいかもなあと思うくらいにやつは万能で、けれどピアノとギターはその音色が違うから、棲み分けは充分可能。けれど、棲み分けられるとしても、その音量の差というのはかなりギターに不利に働いてくる。
私はあまり爪を長く伸ばさず、だからあまり音量のあるタイプではないのだが、それでも頑張って、フレットが弦に干渉するぎりぎりくらいまで頑張って弾いたのだが、それでも、もっと大きくてもいいよなんていわれて、いや、これ以上やったら弦が切れます。
しかし、分厚く響くピアノの音の中からギターの音を拾うのは決して無理な話ではなくて、金属弦をつま弾いたときの芯のような音が聴こえるから、こうした音質の違いによる効果を期待するほうがいいのではないかと思った。あんまり無理に大きな音を出そうとしても仕方がないから、ニュアンスの違いみたいなものを表現できるようになればよりよいんじゃないかと思うのだ。
さて、今回はアンサンブルの話ではなくてD. カスタムの定点観測だ。
先達ての練習で、ピアノに負けまいと弾いているときに指板よりの位置で弾いていることに気がついた。ここで弾くことで大きな音が出ているのだろうか? あるいはそうかも知れない。ピアノに負けない音を出すために、自然により大きな音の出るポイントで弾いているのかも知れないなと思った。
けれど、一番いいポイントはちょうどサウンドホールの縁くらい、少しブリッジよりの位置であると思う。音にまとまりがあり、音量も得られる位置はこのあたりだと思うのだが、ピアノに対するときは音のまとまりなど気にしていられないということなのか? いずれにせよひとつの発見であった。
ピアノを加えたアンサンブルでは、普段とは違う弾き方もして、それになにより大きな音を出そうとするから、得られるものは大きいのではないかと思った。実際、おとなしいばかりではいけないわけで、ピアノの響きを受けることもあってか、楽器への影響も大きいように思う。
だから、もし身近にピアノの弾ける友人なんかがいたら、合わせてみると面白いと思う。楽器の響きも変わると思うよ。
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