D. カスタム S 定点観測:六ヶ月目

 D. カスタム Sができあがってからようやく半年が経過。この期間が短いか早いか、って短いも早いもおんなじことといってるな。ずいぶん長く弾いてきたような気もするけれど、数えればたった半年。あっという間といえば、そんな気もする。

 先月から今月にかけては、いろいろあって、そのせいか音の感じ方は違ってしまった。

病とその後

 まず一つ目、病で寝込んでしまったこと。三日ほど寝込んで、すっかり体力も体重も落ちてしまった。そのせいで、腕も落ち込んでしまった。なに、直に体力の回復とともに病前の技術も取り戻すだろうさ。けれど、この休んだことは、私の音に対するとらえ方をすっかり変えてしまった。

 体が弱っていたせいもあるんだろうけれど、楽器の発する音というのが大きくて参ったのだ。特に倍音の出方がすごいと思った。こんなにも音が出ているのかと思って、病み上がりの数日はびくびくしながら弾いていた。今ではすっかり慣れたからか、それほど大きいとも響きがどうとも思わないけれど、実際になっている音は病み上がりも今も変わらないだろう。私は弱ったことで、楽器の違った印象を得てしまった。

 寝込む前は落ち着いた音、地味な音を目指していたのだが、病後は少し派手な音になった。よく聴く、スチール弦のギターの音に近づいたと思う。けれど、おそらくまた弾いているうちに、地味な音に帰っていくのではないかと思う。

伴奏とその後

 二つ目、伴奏をしたこと。友人の二胡奏者の伴奏を試しにやってみて、思いの外いけそうだという感触が得られて、私は安心した。けれど、合わせてみて、私は自分の音が小さいのではないかという気がして、その後少し爪を伸ばしてみたりした。

 爪を伸ばすと、音は派手になる。もちろん音量も増える。けれど、私は爪が弦に当たって出る音があまり好きではなく、特に音から繊細さが失われるように思えて、まあこれは私のコントロールがへぼいのが最大の原因だろうが、ともあれ爪で弾く音は好きではない。なので、また短くしてしまった。

 伴奏をしてから、伴奏に向く音、旋律に向く音というのを考えるようになって、伴奏にはブライトなのよりもメロウな方が合うんじゃないだろうか。和音がうまく溶け合うような、けれどひとつひとつの音の粒立ちははっきりしているような。こういう相反するような要素を、同時に実現できればよいと思う。私は、私の音はまだ、はっきり抜けていないあいまいでもこもこした音であると思っている。響きをしっかりと含めながら、遠くに届く、のびと艶のある音というのが理想だけれども、難しいなあ。

 いまのところは、地味な音にとどまってる。楽器はよく鳴ってると思う。連休の終盤、一日五六時間を弾いた弦は、二週間目に入ってもよくのびるしっとりした音で、結構その感じは好きだった。まだまだいけそうだなと、三週間あるいはひと月をこの弦で乗り切れるのではないかと思っていたら、スケールの途中で3弦を切ってしまった。

 私はまだ、力任せに弾いているのだと思う。この力みがとれると、D. カスタムの響きはもっとよくなるのではないかと、そんなふうに考えている。


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公開日:2005.05.20
最終更新日:2005.06.19
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