今日は、D. カスタム Sを購入してから十二ヶ月が経った日。つまり、一年前の今日にこの楽器を手にしたいうわけで、実に一周年! 思えばこの一年、いろいろあったと思い出す。表板に傷をつけてみたり、あるいはステージに立ってみたりもした(座奏だったけど)。いつもそばにはD. カスタム Sがあって、これから先も、こうしてずっといられるといいなあと思う。後、どれくらいの時間、こうした状態を保てるだろう……。
なんか、まとめに入ってるみたいだけど、別にまとめるつもりはないので、あしからず。
一年間楽器を弾いてきて、その変化はいかなるものだったろうか。
このギターを弾くことで、楽器を鳴らすということがわかってきたように思う。このごろ特に思うのだが、弾いている私に聴こえる音というのは、楽器の音のすべてではないのだ。以前、管楽器をやっていたときにも実感してきたことだが、楽器にはそば鳴りと遠鳴りというのがあって、書かれた字そのままに理解すればわかるが、そば鳴りは楽器のまわりだけで鳴っていること。対して遠鳴りというのは、音が遠くまで届くこと。もちろん理想的なのは遠鳴りであって、これは楽器の性能も重要だが、奏者に因るところも大である。
楽器をアストリアスに替えてしばらくしてのことなのだが、音が大きくなってきているとの指摘を受けている。これについては、弾いている自分はほとんど意識していなくて、むしろ音が小さいなあ、小さいなあと気にし続けていたのだ。だが、実際には私の思っている以上に音が通っているようで、これはアストリアスの遠音性の高さのおかげなのかも知れない。
楽器を手にした当初は、むしろ繊細な音だといっていたD. カスタム Sだが、最近ではそれもほとんど気にならない。コードで弾いたとき(ストロークといういう意味でないことに注意)なんかには特に顕著で、響きは柔らかく、それでいて華やかに広がる。多分、この響きも遠くまで飛んでいるんではないだろうか。そうだったらいいなと思う。
< D. カスタム S 定点観測:十一ヶ月目 D. カスタム S 定点観測:十三ヶ月目 >