もっともスムーズに移行する必要があり、かつもっとも大掛かりになると思われていたのが、サイト制作環境の移行でありました。なんで最優先する必要があるのかといえば、毎日の病的更新のためだったりします。いや、正直なところ、なんでこんな意地みたいになって更新してるんだろうという疑問はだいぶ前からあるんですが。まあ、これをしなくなると、コンピュータがなんのためにあるか分からなくなるからこれでいいんでしょう、多分。
Mac OS X 10.3でもDreamweaver MXが走ることは、事前に情報を得ていて、むしろそちらは心配していませんでした。もし10.3で走らなかったら、Macromediaは対応しないかも知れない恐れもあったので(今、MXはバージョンアップ時期なんですよ。新バージョンで対応なんてね、いかにもありそうじゃありませんか?)、正直ほっとしました。
データの移行に関してもたいした心配はありませんでした。Fireworksとの連携を考えると、これまでのディレクトリ構成は維持しておきたい。HTMLファイル中に読み込んでいる画像ファイルと、Web用に書き出される前のFireworks PNGが関係付けられているので、Dreamweaver内の画像からの相対パスさえ変わらなければ、多分大丈夫でしょう。なのでサイト関連のファイルは、以前ハードディスク直下にあったものを、MySitesディレクトリ下にそのまま置くことにしました。自分のサイトと仕事で作ったサイトは違うフォルダにわけられていたので、MySitesディレクトリ下には本当のマイ・サイトと仕事のものに分かれるわけですね。
Dreamweaver MXのインストールは、CD-ROMからインストーラに従うだけなので、はっきりいって楽々です。Dreamweaverと同時に、Fireworksら、Studio MXスイートに含まれるアプリケーションすべてを展開して終了です。ファイルの展開にはちょっと時間がかかるので、このすきにMacromediaにいって、Dreamweaverのアップデータをダウンロード。マルチタスクOSだとインストールと他の作業を並行できるので、時間的ロスが少なくてよいです。ちょっとどきどきではありますが。
Dreamweaverインストールが終了して、試しに立ち上げてみて驚きました。動作が異常に重いのですよ。ウィンドウの展開はさほどではないですが、メニューを開こうとすると、虹色の円盤が延々回転して、やっとこさ開くような有り様。一体なにが悪いのか、といえば、どうやらアップデートをしていないからのようでした。バージョン6から6.1にアップデートをして、問題は出なくなりました。インデントに関する問題を回避するため、インデントしないを有効にする機能も追加しておきます。
アプリケーションのインストールは終了、後はデータの移行終了を待って、設定するだけです。
サイトデータの移行は、サイズこそ大きいために時間がかかりましたが、問題なくスムーズに――はいかなかったんだった。ゲストとして共有フォルダにアクセスしたもんだから、アクセス権が制限されて、ファイルの変更許可がない状態になっていたのでした。それに気付かず、思うようにいかないのはなんでだろうとずいぶん戸惑ったのでありました。
しかし、ファイルを開こうとしたときに、変更許可がないので云々のダイアログが出れば、別のアプリが先に開いているのか、あるいはアクセス権の問題であることはすぐに分かります。情報を見ればアクセス権が適切に設定されていないことはすぐに分かりますので、さっきコピーしてきたデータのトップディレクトリの情報を開き、読み/書きの許可を与えて下位のディレクトリ、ファイルに適応してやれば問題なし、と思っていたのですが……。
Dreamweaverに設定されているサイト定義の数が結構多いために、それぞれローカルサイトを定義し、リモートのFTP設定等々いちいちやるのは面倒くさいなと考えたのは、僕が横着なためであります。果たしてOS X上のDreamweaverがOS 9で使われていたDreamweaver MX Prefsを問題なく読むだろうか。もし無理なら初期設定書類を捨てればいいや、問題が出てから考えよう、といい加減なものです。試してみました。
端的に結論からいいますと、OS 9のDreamweaver MXとOS Xのは、初期設定書類に互換性を持つようです。さすがにサイト定義でローカルサイトのパス設定等触らなければなりませんが、その他の設定はそのまま生きるようでした。
しかし、この時点で問題がひとつ発生ですよ。サイト定義でひとつずつリモートサイトのパスを設定していって、けれどこの時はまだコピーしてきたディレクトリのアクセス権が読みしかなかったものですから、それにまつわる問題が発生します。書類を作成しようとして失敗した云々、なんでだろう、OS 9の初期設定を使ってるからなのか? 疑問に思い、miで書類を適当に開いてみて、状況を理解しました。Dreamweaverを終了して、ディレクトリごとアクセス権を変更。けれど、次にDreamweaverを開いたときは、もっとひどい状況になっていたのでした。
Dreamweaverを開くとエラーメッセージが表示され、何度OKしても次から次へと立て続けに出てくるので、強制終了せざるを得ない状況になってしまっていました。Dreamewaverをもう一度立ち上げなおしても同様。初期設定を外してみても変わらず、エラーは出続けました。
一体どんなエラーなのかと見てみると、An
internal error occured while drawing. (CWnd::DrawSelf)
とのこと、描画時の内部エラーのようです。にしても弱りました。どうやらDreamweaverを壊してしまったようです。今まで使ってきて堅牢な、結構むちゃなことをさせても持ちこたえるソフトだと思っていたのですが、旧設定を読み込ませたり、アクセス権のないフォルダにアクセスさせたり、なにが直接の原因かは分からないものの、破壊してしまったようで、再度インストールからやり直すことになりました。
と簡単にいうものの、アップデータは捨ててしまって跡形もないので、もう一度ダウンロードからやり直しですよ。はあ。
再インストールで、異常動作は見られなくなりました。一安心、これで作業が続けられます。さすがに旧環境をそのまま引き継ぐのは無謀に思われたので、一からサイト定義をし直すことにしました。どうせなら、この際更新していないサイトや手が離れた仕事のサイトなんかは整理してしまうことにしました。
なんでそうしたのか、理由やきっかけは忘れてしまいましたが、サイトごとにリモートの設定をしていないものと、リモートの設定がされているものの、ふたつずつを設定していました。そのため、十以上のサイト定義がずらりと並ぶことになります。それが正直ややこしくなってきていたため、サイトひとつずつに定義もひとつというように改めました。
おかげで、現在のサイト定義はたったの三つにまで整理されました。使わないサイトや、手の離れた仕事、手を切りたい仕事のものがなくなって、せいせいした――、といっても、データ自体は残してあるんですよ。はぁ。
iBook G4上でのDreamweaverは実に快適です。以前はディスプレイ解像度800*600の環境で動かしていたのですが、正直Dreamweaverにその表示域では狭すぎました。マシンの処理速度も微妙についていかず、動作、操作の度にワンテンポ待たなければいけないというのも、慣れればそれほどではありませんでしたが、やはり抵抗がありました。それにものすごく時間のかかっていた同期がなぜかすいすいいくようになって、一体どこにボトルネックがあったのか。ファイル数が多すぎるのも悪いのでしょうが、同期が大変に楽になりました。
そういった不満というべきか、あるいは推奨環境以下で使用する悲しさというべきか、が払拭されたのは、実に良い感じですよ。マシンパワーが上がるというのは、単純にメリットがあるということを実感する次第です。サイト更新作業にも気合いが入るというもんさ、――はぁ。
その後に行った設定としては、インデントしない設定にしたこと、それでも追加されるインデントを、タグライブラリエディタを使ってしないようにしたこと、これくらいでしょうか。あと重要そうなキーボードショートカットの設定ですが、これに関してはまるで手を付けず、デフォルト設定のままです。ビューの切り替えショートカットはどうしたというのでしょうか?
それに関しては、また後日お話しましょうかね。ふふふ。
An internal error occured while drawing. (CWnd::DrawSelf)
のこと実はこれ、既知のエラーでありました。決して操作がまずかったとか、むちゃをさせたから壊れたとかいうのではなく、Macromediaでも確認済みのようで、とりあえず原因が分からないようです。
ともあれうちだけの問題でないので安心しました。というか、OSを10.3.1にアップグレードした直後に同じエラーが出て、また再インストールしたら、初期設定ファイルが消えちゃってちょっと泣きを見たりしたりなんかしまして……。
やっぱりエラーが出たときなんかは、まず公式サイトの発表を確認するというのがよさそうです。というか、基本ですな。