以前の記事でちょろっと触れていましたけれど、私のかつて愛用していたブラウザ、iCabがメジャーバージョンアップしました。iCabというのはドイツのiCab CompanyからリリースされているWebブラウザで、Macintosh Classic時代から存在する結構由緒正しいブラウザです。私はこれをバージョン2くらいから使っていて、最初はCSSに限定的にしか対応しないなど、微妙に見劣りするところがありましたが、バージョン3からだったか、結構本格的にCSSに対応するようになって、もう見劣りするなんていわせない、そんな雰囲気が漂っていたものでした。けれど、バージョン4になっていきなりWebKitフレームワーク使うようになったものですから、もうびっくり。うわあ、こうなりゃさすがにもう見劣りうんぬんいってられないなあ。だって、見た目に関してはSafariと一緒だもんな。というわけで、iCabのらしさはインターフェイスに残るのみとなってしまいました。とはいっても、そのインターフェイスが重要なんだから、別にWebKit使うくらいなんてことないよな、なんて思います。
iCabのインターフェイスというと、スタンダードリンクツールバーを忘れてはいけない、なんて思うのはもしかしたら私だけかも知れませんが、実際iCabを特徴づける要素というと、このスタンダードリンクツールバーと、そしてiCabスマイルもまぶしいエラーチェッカーであろうと思うのです。ではそのツールバーはいったいどういうものなのか。それはですね、HTML文書に用意されているlink要素によるナビゲーションを実際に使用可能にできる工夫であります。たとえば今皆さんもご覧になっているこの文書、ソース開いて読んでいただければ一目瞭然なんですが、head要素内にずらずらとlink要素が並んでおりまして、それでもってスタートページや、前の文書、次の文書などが指示されているのですよ。body要素内にはインデックスとトップページ、そして前後のページにしかリンクを用意していませんが、link要素となるとトップページ、インデックス、カテゴリー別目次、検索、このサイトについて、著作権(ライセンス)、iBook G4から続く一連の記事の最初のページ、iMacに乗り換えてからのページ、前のページ、次のページが用意されています。けど誰も使わない。なぜか? 答えは単純で、誰も気付いていないから。Webサイト作る際には、こうしたものが用意されていると便利になるよっていわれてきたのですが、主要なブラウザがまったくといっていいほど対応してくれないから、誰もその存在に気付かない。そもそも知らないから使わない。使われないから、普及しない。なんだこの悪循環。そんな状況に対抗すべく、ちまちまlink要素用意したりもしたけれど、よそでお目にかかることはまずありませんね。残念だなあ。正直、Microsoftあたりが乗り出したら、一発で他のブラウザにものるだろうのになあ。ほんと、残念です。
iCabにはあると便利な機能がいくつかのせられておりまして、エラーチェッカーなんかもそうですし、あとh1要素に代表される見出し、これを抽出してくれるような機能もありまして、実は私が見出しにIDをふって目次を作成しない理由はここにあります。こういったものは、ブラウザが用意すべきものだろって思ってる。いや、本当は自前で用意したほうがいいとは思っているんです。ですが、あえて突っぱねています。意固地ですね。自分の知るかぎりこういう見出し抽出機能を持ったブラウザって、iCabとOperaくらいだから、もうどうしようもないよなあ。今更目次をつけるには文書が増えすぎました。そんなわけで、将来ブラウザがインテリジェントになることを期待したいと思います。着てはもらえぬセーターをの世界だな、こりゃ。
iCabは見た目こそはWebKitブラウザになったけれど、もともとあった便利な機能は健在だから、今こそ再び戻るべきかも知れないなと思っています。とはいっても、iCabオンリーとはいかないでしょう。SafariはRSSリーダーとしても使っているから、Safariがはずれることはなさそうに思います。だから、SafariメインでiCab併用といった感じでしょうか。となると、今までと同じってことだな。私は実はSafariメインにしている今でも、iCabでしか訪れないページというものを数箇所残しているのです。だから、その比率が少し上がればいいってことだと思います。上がるかなあ? まあ、無理して使うのも変な話だから、便利に使える局面ではiCabを使うという、そうした使い分けがうまくできればいいかなと思います。
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