Lの季節2

現実界攻略中、まだだ、まだ終わんないよ

 ちょっと前作に寄り道してみた、ここ数日。星原百合エンドを見て、そしていろいろメモして、そして再び『Lの季節2』に戻ってきたのだった。ここで現在位置を再確認しておこう。香野由香に、お茶でも飲まない? の選択肢の出たところで足踏みをしているのであった。なぜか? 簡単なことで、思わぬ未読潰しに邁進してしまったのがその原因であったわけだが、おかげで、クライマックス及びその直前のブロックは、見事にコンプリートだらけだ。実際、香野 由香エンド (5)を見ることで、クライマックス周辺は完全にコンプリートになる(って変な表現だな)、はずだ。

 ともあれ、今はまだ物語途上。しかも、まだラストまで行き着けていないのだけれども、一応のプレイ記録。いってみよう。

進捗状況

幻想界
澪泉 双葉エンド (1)、純耶 佳奈エンド (1), (2)クリア
現実界
香野 由香エンド (2), (3), (4), (6)クリア

何もかも忘れて眠りにつくのと、全てを知って後悔するのとでは、どちらが良いと思いますか?

プレイ記というより、むしろ反省会

 前回私はこんなことをいっていた。

 ここでの鵜野杜椎奈による証言は重要だ。屋上で倒れる時に見た光景は、ズボンとスカート、つまり男子と女子がいたといっているのだが、このうちの男子がトリスメギストス上岡、女子が上岡を止めた星原百合。これについては、上岡が星原さんに確認している。だから確定事項といってもいいのだが、しかし『Lの季節2』では鵜野杜椎奈は覚醒の種の被害者となっていて、だとすれば犯行の現場、屋上に上岡がいる必要はなくなり、ということは上岡があの時点で自分を犯人と気付けなくなってしまう。おお、困った。困ったので、ここで考えることをやめようと思う。

 しかし、東由利さんもいっていた。緻密な設定をもとに作られた『L』に穴があるわけないじゃない。そう、穴があるわけがないのである。なぜなら、鵜野杜さんは、違う原因で二度意識不明になった希有な例であるから。一度、覚醒の種を植え付けられて、そしてその後、トリスメギストス上岡の毒牙に掛かった。あそこで意識不明にまでいかなかったのは、すんでのところで星原さんの介入があったから、ではなくて、覚醒の種による能力発現のためだったというのが新事実。けど、やっぱりちゃんと考えられていたんだね。

 というわけで、前作に照らし合わせてみると、こういうことがいえると思う。

 昨年においても部活に入っていたとは思われない河瀬は、六番目ないしは七番目の被害者である。ただし、それは覚醒の種によるもの。そしておそらくは、上岡の意識のない時間帯にそれは起こっていた。なぜか? それは、異世界からの介入を受けた時、トリスメギストスも活動を開始するからだ。それは『Lの季節2』でニューロマンサーの介入を受けるシーン、そこで説明される。星原さんは、河瀬にニューロマンサーの対処を依頼し、自分は上岡のもとへ走っている。理由は、トリスメギストス上岡の出現を押さえるためだ。すなわち、昨年の意識不明事件において、双葉が河瀬に覚醒の種を打ち込んだ。その時、異世界からの介入を受けて、上岡はトリスメギストスに意識を奪われていた。このように、ちゃんと穴は塞がれている。

 そして、鵜野杜さんが最後の被害者である。実際には、それ以前に被害にも遭っていたが、覚醒の種が芽吹くことにより目覚め、よってこれはカウントされていない。そして最後の被害であるが、これは能力を用いた防衛、そして星原さんの介入によって未遂に終わっている。

 以上、こういう感じであるようだ。なお、鵜野杜さんが覚醒の種の被害者であったことは、香野由香ルートを普通に辿っていれば星原さんから教えてもらえる。あの、OKだのところね。つまり、今回のプレイでそのブロックを通過したということ。しかし、プレイヤーよ、それを忘れてしまうとは情けない。うん、本当に情けないと思ってる。自分にもCAが欲しいと思うのは、こんな時だ。

 えー、ご意見いただきました。

 前々回、香野 由香エンド (2)に向かう最後のブロック、タイトルが「Lの季節」であったことを受けて、迷宮の季節? ととぼけていたが、それは違うのではないかと黒森さんからご意見いただきました。黒森さんのおっしゃることは次のとおり。

先日やっとこ由香エンド(2)に到達して、そこでふと気付いたことがあるのですが、ブロックタイトルの「Lの季節」は、本文中にある「ヒガンバナの学名、Lycoris radiata」という河瀬のモノローグにかかっているものではないでしょうか?

つまりLの季節とはヒガンバナの季節であり、ここのL季ページで繰り返し主張されていた「Lの季節とは星原百合を巡る物語である」を地で行くブロックタイトルだったのでは…、なーんて考えが浮かんだので、僭越ながらご指摘させて頂きました。

 すばらしい! 私はちっとも気付いていなかった。けど、この意見はすごい説得力があると思います。ヒガンバナに始まり(前作の現実界)、ヒガンバナに終わる(今作の香野 由香エンド (2))物語、それはすなわち「星原百合を巡る物語である」ということ。うわあ、全然気付いてなかった。

 この世界にあっては永遠に安らぎを得られないかも知れない、いやそれは言い過ぎだけど、そんな星原さんが上岡を伴って消えていく。消極的であるけれど、それは星原さんにとってはひとつの安らぎなのかも知れない。そして、その物語には、ヒガンバナが……。

 こんなことを思い出しました。引用は、CDドラマ「おまけ「裏Lの季節」」より。

星原百合「葉緑体ゲノムの遺伝子の塩基配列を解析して、系統樹を構築すると、ヒガンバナ科はユリ目の系統になります。」

東由利鼓「自己紹介してる……。」

舞波優希「しかも、かなり謎に迫ってます!」

舞波聖邪「これはネタバレというやつか。」

 そう考えると、もともとに『Lの季節』は、ユリ目、Lilialesに関わる季節、ないしは百合の英名Lilyでも同じかも知れない、そうした含意があったのかも知れない。いや、わかんない。このネタバレというのは、あの青いヒガンバナが星原百合その人に関わっているという、その点を指しているのかも知れないし(というか、その方が自然だと思っていた)。けれど、それをもって、今作ではヒガンバナに焦点を当てたのだとすると、あのブロックが「Lの季節」であったのは、納得がいく。

 といったわけで、黒森さん、ありがとうございました。私はできるだけ緻密に読もうと努力はしていますが、それでもかなりの部分は見落としています。私の得られなかった気付きを与えてくださったこと、本当に感謝しています。ありがとうございました。

……

 まだだ、まだ終わらんよ。いや、この文書のタイトルにおいては、今日で香野由香攻略を終えるつもりが、思った以上に長くて断念した、その思いを込めてのものなんだけど、いや、スキップなしで読んでるから、本当に時間がかかるのですよ。けど、それで得られるものがあるから、それは主に感情面でのことなんだけれど、だからおそらく私がこのゲームをコンプリートするころには、プレイ時間は二百時間を超えると思う。

 というわけで、この文書はまだ終わらない。以下、前作のドラマCDのつっこみを受けて、今作ではどうなったかを確認してみよう。

舞波聖邪

なんで俺には声がなかったんだ……

 そうですね。今作でもありませんでしたね……。

鵜野杜椎奈

私のイベントグラフィック、なんで一枚しかないの!?

 今作ではサブメインのヒロインに昇格して、ようございました。けれど、私はまだ鵜野杜さんのイベントグラフィック、一枚も見ていない。いったいどこで出るの?

 舞波優希のフリートークに現れる、シスコン=パソコンみたいなものかな? は、実はこのCDが初出。そのくだりがあまりに面白すぎるので、ちょっと長くなるが、引用してみよう。なお、私の『Lの季節2』のファーストインプレッション、聖邪さんの扱いがあんまりにもアレな感じだったのは、こうした前提があってのことだ。もう聖邪さん大好き。けれど今作でも声がなかった彼だから、きっと見境なく突っ走るようなシーンは見られないのだろうな……。それが少々残念に思えて、ええ、心の底から残念。残念といえば、弓倉さやか、いい性格していて好きだった。その彼女が出ない、また中等部の制服も出ない。それも少し残念で、ああ、もう、これは楢山さんに期待するしかないのか!?

 馬鹿なことをいったところで、ごきげんよう。いざ、さらばです!

おまけ「裏Lの季節」」,『「Lの季節」 -A piece of memories- ドラマCD』

天羽碧「それをいうなら、幻想界の聖邪さん。あなただって性格ころころ変わりません?」

舞波聖邪「そ、そんなことはないぞ。」

天羽碧「いいえ! あなた、他人の前と妹の優希さんの前とでは、ずいぶん態度が違うんじゃない?」

舞波聖邪「それは、大切なものとどうでもいいものを区別しているだけだ。」

弓倉さやか「やーだ。妹さんを大切なものですってー。」

弓倉亜希子「もしかして、シスコン……、なんですか?」

舞波聖邪「シスコンはやめろ! どうでもいいが、お前ら、キャラが違ってきてるぞ。」

天羽碧「あなたもね!」

舞波聖邪「なっ! とにかく、俺はシスコンじゃない。」

舞波優希「私、お兄ちゃんがシスコンでもかまいませんっ!」

舞波聖邪「なーっ、はーっ! 優希、ふーっ、へーっ、シ、シ、シスコンって意味知ってるのか?」

舞波優希「パソコンみたいなもの、かな?」

舞波聖邪「は、ははっ。優希、ちょっと静かにしてような。」

舞波優希「うん。」


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公開日:2008.08.17
最終更新日:2008.08.17
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