Wizardry

性格の反転について

Wizardryにおける性格について

 Wizardryには善悪中立という3種の性格があって、一体これはなにかというと、善悪は基本的に同パーティに参加することができないとか、でもこれはそれほど重要なことではないのです。というのもですね、迷宮内で落ち合うことによって善悪混成パーティを組むことは可能ですし、今回のプレイにおいても、第3パーティが善悪混成でありました。

 プレイヤーにもいろいろな考えがありまして、こういう善悪混成パーティを極端に嫌うタイプの人もいます。また積極的にこうしたパーティを組もうという人もいます。私はというと、システムが許すことはオッケーという考えなので、善悪混成パーティはかまわないかなって思っています。ただこれは緊急的なあるいは特例的な措置であるべきだとも思っていて、今回のうちの第3パーティでいえば、メンバーが集まらないために背に腹は代えられない、善悪混成でいくしかないかという判断があったわけです。だから、私は平時では善悪混成パーティを組むということはまずありません。せっかく善悪という戒律の違いがあるのに、その設定を使わない手はないわけです。安易に善悪混成パーティを組むというのは、せっかくのおいしい設定を潰してしまうと思うのです。

 とはいっても、善悪混成が問題になるのは最初だけなんですよね。だって、冒険の途中で遭遇する友好的な敵への対処いかんによって、善は悪に、悪は善に性格を変えてしまうのですから。そんなわけで、私は善悪混成パーティにおける友好的な敵への対処のルールを定めていました。人数分のさいころでもって意見を戦わせ、勝ったものがその意見を通すことができる。ある種フェアなやり方であったのではないかと思っています。

最初の寝返り

 それはまだ第3パーティがレベル5にとどまっていたころのこと。魔術師のObusはMahalitoは覚えたもののMolitoを覚えず、ただ1度しか使えないレベル3呪文の使いどころに迷っていた。そんなくらいの時の話。

 パーティは未だ最初のエリアを出ることなく、三つしかない小部屋を出たり入ったりして、とにかく少しでもレベルをあげようとしていました。とにかく使える呪文に余裕が欲しい。魔術師が二人いるのならまだ状況は違ったのかも知れませんが、魔術師不足の状況ではそうもいってはいられません。だから少しでもレベルをあげて余裕を持ちたい。自然な成り行きであったかと思います。

 レベルのあがりやすいのは盗賊、そして戦士、彼らがレベルを5から6にあげて、僧侶のレベルもあがった。残るは魔術師ひとりだという状況になって、突然迷宮内には友好的な敵が溢れるようになりました。扉を蹴破れば友好的なアンデッドコボルド。地下1階では圧倒的にアンデッドコボルドが友好的であることが多いように思われます。もう死んでるのに、死んでなお迷宮をうろついてるというのに友好的。もしかしてただ迷ってるだけ? 善のパーティなら即見送りが決定される状況ですが、善悪混成である第3パーティではそうもいかず、見逃すかそれとも殲滅するか、意見は圧倒的に善に優位に働いて、しかし見逃すも、これまでがそうであったように悪であるGoulet、Obusは自分の意見を変えることがありませんでした。

 いつものようにレベルをあげるべく三つの小部屋を回った帰り、これでObusのレベルがあがるはず、そうすれば呪文の使用回数にも余裕ができて有利に戦えるようになるだろうと思ったその時、城への階段を目前にして敵と遭遇しました。友好的なアンデッドコボルド! 見逃すか戦うか? 意見は見逃すに傾き、そうしてアンデッドコボルドたちと手を振って別れたのです。変化はその時に起こっていました。今まで頑として意見を変えてこなかった悪のメンバーがひとり寝返ったのです。それはGoulet。盗賊である彼が真っ先に善に転向を見せたのです。

 裏切りやがったな――。唯一残された悪のメンバーであるObusはそう思ったに違いありません。

 続く!


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ノーリセットで駆け抜ける青春:Index 「Wizardry」リセットボタンのない人生(仮)

公開日:2006.08.23
最終更新日:2006.08.27
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