カポタスト:Jim Dunlop

 カポタストを買った。えー、KyserShubbも、さらにはG7thのまで持ってるくせにまだ買うのかと思った人もあるかも知れないが、いやそういうわけじゃないんだ。今まで持っていたのは、あくまで指板にRがついているギター用のもので、今回買ったのは指板がフラットなもの、つまりフラメンコのレッスンで使うガットギター用のカポを買ったと、そういうわけなのだ。

カポに迷った

 ガットギターのカポはどんなのにしようか、実は結構迷っていたんだ。最初はKyser製のものにしようと思っていたが、いくらジプシー・キングスのアルバムライナーノートに、これをつけて演奏している写真があったからといって、そんないい加減な理由で決めるのもどうかと思った。なにも考えず、バネでぎゅっと押さえるだけというKyserの考え方は結構好きなのだが、もし締めつけが強すぎれば音程は上ずってしまう。調整する方法がないのはどうかと思われた。

 じゃあ、以前あれほど絶賛していたShubbにすればいいじゃないかという気もしないでもなかったが、これはこれで当たり前すぎてためらわれた。いや、当たり前でいいんだけどね。一度調整すれば、後はワンタッチで取り付け取り外しができるんだから、実用を考えればかなりいいカポである。重さもそれほどでなく、楽器の響きを妨げることもないだろう。けれど、それでも、なんだかためらわれた。調整が面倒くさく思われたのかも知れない。いや、そんな面倒に思うような調整ではないし、一度すればそれで充分のことなのに、けれどなぜかためらわれた。やっぱり当たり前すぎるチョイスだからかも知れない。

 Victor Capoがいいかも知れないと思っていた。Kyserでなければこれにしようと思っていたのは、G7thを薦めてくれた人が、自分はこれを使っているといっていたからだ。薦めておいてなぜ違うカポを使っているのかといえば、クラシック用のG7thはないためである。もしクラシック用のG7thがあればそれを使う。つまり、Victor Capoは次善のカポであるということなのだろう。実際評判のいい製品で、よく名前を聞く。

Jim Dunlop Toggle Capo

 しかし私はJim DunlopToggle Capoを選んだ。理由はいろいろあるが、大げさでないことと、なにより軽いことが重要だった。私がやろうとしているのはフラメンコだから、できるだけ楽器の鳴りを妨げないようなカポを選びたかった。他のカポが鳴りに悪いとは思わないが、しかし重いカポは、多少なりとも鳴りに影響するだろう。だから、私は軽そうなカポにしようと決めた。

 Toggle CapoにはAdvancedProfessionalの二種類があって、なにが違うかといえば、Professionalはベルトの長さ調整ができる。Advancedは1000円、Professionalは200円高いだけで、どちらを買ってもよさそうだったがAdvancedにした。ベルトの調整用の金具がネックを傷つけることを怖れたからだ。また、こうした調整部分があれば、いずれここから緩みが出ることもあるかと思われた。だから、最もシンプルなかたちのものに決めたのだった。

使ってみて

 買って帰って、早速ギターに取り付けてみた。しかし、なかなかつけられない。しまった、自分のギターはネックが太すぎた、と思った。

 実は、フラメンコギターの先生も同じカポを使っていて、もしかしたらProfessionalかもしれないのだが、とにかく結構ベルトには余裕があったはずだ。5段階に締めつけを調整できるのだが、先生は2段目で止めていた。なのに、私のギターでは1段目でさえ止まらない。Professionalにすればよかったのかと、わずかばかり後悔した。

 けれど、これは付け方が悪かったのだ。このカポをつけるときは、レバーをまったく反対にして、出っ張りを留め具に引っかけてから、てこの原理でくるりと返すのだ。こうしたら、1段目でちゃんと止まってくれた。1カポで試し、3カポで試し、5カポでも試し、7カポにもちゃんと止まったから、これで大丈夫だろう。まあ普通は3カポくらいだと思うし、今は硬いベルトが使っているうちにやわくなったら、きっとちょうどよくなる。

 もし壊れるようなことがあったら、そんときはKyserにしよう。とかいっといて、結局Shubbを買ったりしそうな気もするんだよな。


こととねギターサイドへ トップページに戻る

公開日:2005.01.25
最終更新日:2005.01.25
webmaster@kototone.jp
Creative Commons License
こととねは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 継承 2.1 日本)の下でライセンスされています。