D. カスタム Sの定点観測の質を高める目的で、オーディオインターフェイスとコンデンサーマイクを導入した。これにより、どれだけ録音品質が向上するか。請うご期待。
録音のセッティングに関しては、録音試験の時と同機材である。違う点はふたつ。一つ目はマイクのセットした位置。前回はサウンドホールを狙ったが、今回は第17から18フレット目あたりを狙った。真っ正面からではなく、若干1弦側から狙っている。
二つ目は、録音時のゲイン。前回はクリップノイズが出ることを怖れて、絞り目にしたのだった。対して今回は、多少のクリップランプの点灯も気にせず、目一杯上げてみた。
その結果が上の波形だ。見ればわかるが、音がしっかりと録られているということがわかるが、反面、とんがった山の先が上下に突き刺さっていることもわかる。実はこれは今回の大失敗。これにより、多量のクリップノイズが発生してしまった。聴いてみればわかることだが、全体にざらざらぷちぷちした感じがすると思う。それがクリップノイズといわれるもので、過大入力があった最に生じるノイズだ。これを避けるには入力ゲインをしぼるかリミッターを導入するか。
次回は、ゲインを若干絞ってみることにしようと思う。
あと、一点補足。前回にいっていたG音の突出した入力レベル。あれ、フレットを打つ打撃音じゃないかという説も出ていたのだが、どうも違う模様。フレットを事前に押さえてからG音を弾いてみても、同様にクリップランプが点灯する。このへんに関しても、もうちょっと考えた方がいいと思う。さらにいえば、音量は大きくとれているけれど、なんか圧迫感みたいのが強くなって、空間の広がり見たいのは失われたように感じる。過大音量としてノイズに化けた部分が大切なんだろうか。いずれにせよ、やはり要研究であるな。
しかし、オーディオインターフェイスのあのゲイン調整つまみ。回すタイプだとやっぱり微調整しにくい。ミキサーがスライダー方式を採用しているのがなぜかよくわかるよ。
楽器はアストリアス製D. カスタム S。使用弦はJ. D'AddarioのPhosphor Bronze Light(EJ16)、張り替えたのは2006年2月18日である。
演奏した曲は、Dionisio Aguadoの練習曲。『ホセ・ルイス・ゴンサレス ギター・テクニック・ノート』の第2章、アルペジョの練習の最後に収録されているものだ。つまり、前回観測に用いた曲と同じということ。機材が変わって、ずいぶんと違ったように聴こえるのではないかと思う。
間違いがあるのは容赦して欲しい。どうしても間違えずに弾くことはできなかった。
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