昼休みガレージでの練習。ガレージは吹きっさらしで、冬の間はあまりに練習に向かないものだから、さすがに室内にこもって、本を読んだり漫画読んだりWindowsの3Dピンボールしたりと、無為に過ごしてきた。
二十四節気では立春――2月4日を過ぎれば春だそうで、じゃあそろそろ練習再開しようかと思ったら、目茶苦茶寒い。おいおい、どこが春やねん、まだまだ冬やないかと文句をいっても始まらないから、人から頼まれた文章の仏訳をして日々を過ごした。
しかし、私はギターを弾きたいのだ。日中外に出て、思ったより寒くないじゃんと感じた翌日、私はギターをもって出勤した。
外練習の最初はウクレレで、次いでレディーバード、しかしからだのゆがみに気付き再びウクレレに戻った。そしてこの春からは、ガットギターで練習をする。
私は今年に入ってフラメンコを習い出したのだが、この練習時間がなかなかとれず困っていた。いや、練習はしてるんだよ、毎日。だが、その練習というのはドレッドノートでの練習であって、フラメンコじゃない。だから、フラメンコの練習は昼休みにするのが一番いいと思ったわけだ。
フラメンコで使う筋肉は、普通のフィンガーピッキングとは全然違っていて、まだフラメンコの所作に慣れていない私には、長時間の練習は無理だ。これが昼休みにちょうどいいという理由であり、昼休みの四十五分ほどなら手にも無理が出ない。
それまで立って弾いていたのを、座って弾くように変える。事務所からパイプ椅子を出して、ガレージの隅に座ってみれば、まったく違った風景に見える。楽器をかまえ弾き出すと、どうやらこれまでとは比較にならない音量が出ているようだ。道行く人の振り向き方が全然違う。弾いている本人からすれば、さして違うようには感じないんだが、やはり音の遠達性となるとボディの大きさの違いが重要なのだろう。実際、前々鳴りが違うという言葉も貰っている。
と、こんな具合に練習を再開してみたわけだ。あとはフラメンコの技法に慣れ、いろいろに弾けるようになるだけ。しかし、これは長い長い時間が必要だろう。
しかし、実際に弾いてみてわかったことだが、めちゃめちゃ寒いな。死ぬかと思った。
一時撤退 >