この度のイタリア旅行。えらくたいそうなことを言い残して旅立ったのではありますが、いざイタリアに着いてみれば事前の心配もどこ吹く風、非常に安全安心の旅となりました。
なぜか? 理由は簡単です。今回最大の不安の種となっていた、同時多発テロに端を発する緊張状況。ところがこれがために、行く先々の繁華な場所はどこも警戒厳重。空港にいたっては、自動小銃を持った二人組がお出迎え。だもんで、イタリアの広場はスリと泥棒で埋まっているなんて悪口もきかれるくらいの治安の悪さはまったく感じられず、スリ泥棒の出る幕はまったく無しでした。出入国や荷物のチェックは厳しいとはいうものの、体感的に普段とそれほどかわるようには思われません。意外と、今こそが安全海外旅行の好機なのかも、といえばあまりに不謹慎でしょうか。
今回の滞在地はミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマの四都市でした。加えて、サン・ジミニャーノ、シエナそしてポンペイにも立ち寄っています。これらの都市は同じ国にありながら、まったく違った地域でまったく違った発展を遂げたためでしょう、それぞれに異なった趣を持った、非常に魅力的な顔を見せてくれます。まずは、これらの都市についての印象から語ることにしましょう。
次いで、とくにイタリア滞在で感じたことを、トピックごとにわけて紹介したいと思います。それは例えば、衣に関することであり、食に関することであり、トイレに関すること、テレビに関すること、言葉にかんすること、他いろいろと思うところを徒然に書いていきたいと思っています。あ、本に関しても書かないといけないな。なにしろ僕は、束ねて綴じられた紙とポリカーボネートの円盤にしか興味がない朴念仁だもので、これらを忘れてはいけません。
とにかく、忘れないうちに書かないといけない。感動は新鮮なうちに、記憶は鮮やかなうちに。ということは、それらが忘れれられたときがこのシリーズの終わるとき、なのでしょうか……
ともあれ、イタリア旅行記のはじまりです。